俺らの明日SECOND-3
『じゃあ一列に並んでください。』
「誰が先頭行く?」
「俺行くよ。」
「んじゃあ、次俺。」
「俺最後尾でいいわ。」
「いいのか、賢治?」
「ああ。」
『じゃあ、乗ってくださーい。』
「結構不安定だな。」
「ああ。」
『しっかり掴まっててくださいね。』
「何か安全バーのないジェットコースターみたいだな。」
「例えが怖いよ。」
「死亡率ほぼ100%じゃん。」
『行きますよー。』
「うぉ!!」
「おお、結構速えぇ。」
「み、水が目に。」
「なぁ、賢治―?」
「何だー?」
「後ろって結構安全だなー。」
「そうだなー。」
「結構つまらなくねーかー?」
「いや、別にー。しがみつくので精一杯だしー。」
「俺暇なんだー。てことでさー、楽しませてくれー。」
「あーん?」
「許せ、賢治。てい!!」
「へ?どわぁぁぁーーー!?」
「くく、け、賢治――!!」
「どうしたーー?」
「賢治が落ちたーー!!」
「な!?ホントだ、賢治がいねえ。」
「わははは、あそこでぷかぷか浮いてら。」
『ちょっと助けに行きますねー。』
「おい、賢治大丈夫か?」
「お前軟弱すぎ。もっと鍛えろよ。」
「なかなか笑えたよ。」
「・・・」
「どうした?」
「殺す。」
「あん?」
「ブッコロース!!」
「どわぁ、賢治が狂った!?」
「もともとの要素も強いがな。」
「うわぁぁーー。」
「痛い痛い、泣きながら殴るな。」
「うわぁぁーーん。」
「三日目」
「「「フォーー」」」
「・・・ノリいいな。」
「最終日だしな。」
「フォーーぐらい言うさ。」
「やれやれ、修学旅行も今日で終わりか。」
「後はお土産を買うだけだな。」
「沖縄と言えば?」
「パイナップル。」
「なんでそこから入るんだよ。」
「いいよ、パイナップルは。スーパーで売ってんじゃん。」
「本場はうまいかもしれねーじゃん。」
「というより俺パイナップルあんまり好きじゃないしな。」
「あの舌がぴりぴりするのがだろ?」
「そうそう。」
「あれ、酵素かなんかで舌が溶けてるかららしいな。」
「マジで!?」
「そうなの!?」
「ああ。」
「じゃあパイナップル食べ続けたら舌無くなんの?」
「どんだけ食うつもりだよ。」
「三食365日食べ続けても微妙だよ。」
「そこまでいくとパイナップル症候群だな。」
「どっちかというとパイナップル依存症だよ。」
「いいよ、どっちでも。」
「決めた。俺はもうパイナップルは食わん。」
「まだ言ってるよ。」
「馬鹿はほっとけ。」