=シリーズ番外編・白木麻衣と矢城孝之の修羅場-5
「なんで、あんな所にいたの?」
「……言い訳にしか聞こえないけど、友達に騙された」
「騙された?」
「合コンとは聞かされてなかったんだ。ただの飲み会だと思って参加したら、後の祭りさ」
「……本当?」
「本当だ。麻衣に信じてもらえなくても、仕方ない。けど、俺にとって、これは真実だ。麻衣がいるのに、合コンなんか自分から行くもんか」
「………信じてもいいわ」
「本当か?」
「……うん。アタシだって、孝之の事…好きだから、信じたいわ」
「……麻衣」
「だけど、ね。信じさせる証拠を頂戴」
「証拠? 今すぐに騙した友達に電話でもかけようか?」
「そうじゃないわ。アタシはね、孝之の事をおば様と白雪以上に知ってる自信があるわ。大抵の事は、わかっちゃう」
「……?」
「だから、証拠を頂戴。ここに」
そう言って、麻衣は自分の唇を指す。
「……OK」
そっと近寄って、麻衣の肩に手を添える。
ゆっくり、触れるだけのキス……。少しして、体を離した。
「……信じるわ、孝之。今のキス…孝之の愛を感じた」
「……良かったら、もっと愛情をブレンドしたのをあげようか?」
「それは、是非欲しいわね」
そう言って、麻衣はいつもの大人びた笑顔をみせた。
END
おまけ
「孝之たちさぁ、仲直りしたら加速度的にバカップル度に拍車がかかったな」
「憲もそう思うか。手を繋いだりするのは普通だろうが、アイツ等は所構わず抱き合うからな」
「アタシ、この前キスしてたの見たよ」
「げ、お姫様だっこしてこっちに向かってくるぞ」
「他人のふり他人のふり」(×4)