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脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

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=シリーズ番外編・白木麻衣と矢城孝之の修羅場-4

これは、麻衣と俺の問題。人に頼ったのがそもそも間違いだった。
麻衣が楽しそうに笑うと、心が暖かくなる。
麻衣と二人でいると、とても幸せな気持ちになれる。
そんな素晴らしい人を、自分の過ちでそのまま失うなんて、出来るわけがない。
「わかった。今から行ってくる」
「よし、上手く仲直りできたら、母さんには内緒にしておいてやる」
「うまくやれ」
「俺、できない方に3千点。……だけど、頑張れよ」
「麻衣ちゃんを、これ以上悲しませないでね」
みんなの声援を背に受けて、俺は外へと飛び出した。


「すいません。俺…」
「良いのよ。付き合ってるんだから、色々あるでしょう。あなた達みたいに長いと尚更にね」
麻衣の家にたどり着くも、麻衣はまだ部屋に閉じこもったまま。応対してくれた麻衣のお母さんも、心配してかちょっとお疲れ気味だった。
それでも、俺を気遣ってくれるお母さんの心遣いが沁みる。
「さぁ、ここでこんな年増のおばちゃんと話してないで、麻衣と話してきなさい」
「でも……」
「大丈夫。あの子、アタシに似て不器用だから。そう簡単に好きな人の事、嫌いになるような事は絶対に出来ないわ」
……ここまで気を遣われて、しっかりしないのは余りに情けない。
えぇい!俺も男だ!!
階段を一段一段、しっかり踏みしめて、麻衣の部屋へと向かう。
「……麻衣、いるんだろ?入って良いかい?」
ダメと言われても、入るつもりではあったけど、それは最終手段だ。
しばらくして、中から鍵が開く音がする。決心を固めて、ドアノブを握って回す。
木の作りであるはずのドアが鋼鉄のように重く感じられた。
えぇい、何をビビってるんだ!
何度も入った麻衣の部屋はあまり変わってなかった。ただ、雰囲気だけは非常に暗い。



雨戸も閉まってる。
そんな部屋のベッドの上に麻衣はいた。
いつもの快活で大人な麻衣じゃない、傷ついた少女の麻衣がいた。
罪悪感が胸を刺す。
こんな状態にしたのは俺だ。
こんな状態の麻衣を放って置いて、みんなの所に逃げてたのは俺だ。
本当なら、俺なんかもう、麻衣の前に出てくる資格なんかない。
でも…俺は麻衣が好きだ。本当に愛してる。
だから、麻衣が俺を拒絶しない限り諦められない。
いや、拒絶されたって、諦められないだろうな。ワガママだな、俺は。
何も言わず、俺たちは見つめ合う。そういえば、こんな風に喧嘩して口もきかなくなったのは、二年ぶりくらいかもな。
「なんで…」
麻衣が先に口を開く。少しかすれた声だった。


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