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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』
【学園物 官能小説】

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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.4-5

「俺は桜ちゃんを賭けるかな」

左手でボールを下から支え、右手をボールの後ろから支える。
目線より上の位置で構え、膝と肘のバネを使い、ボールを押し出す。
ワンハンドシュート。右手の延長線上から弧を描き、ボールはゴールポストの板にぶつかり、すとんとネットに入った。

「ほら、次、やんないの?」
矢田が大股でボールを拾って帰って来る。
だけど、桜はうずくまったまま全く動かない。
ふぅ、と溜め息を吐き、矢田はまたキュッと構える。
ダムッ…ダム…ダム…ッ
何度かその場でバウンドさせ、掌にしっかりと構える。
スゥ…と息を吸い、シュッとボールを放つ。
ゴゥン…とボールがリングにぶつかった後、なんとかネットを揺らした。矢田は安堵を含めた溜め息を吐く。

「ほら、2対1。俺の勝ち」

そのまま桜の目の前に膝をつく。
矢田は桜の肩を掴み、桜の顔を上げさせた。
驚いた桜の顔は涙で濡れている。
黒々とした瞳は、うっすらと涙の膜に包まれて、滲んで見えた。

「…俺の勝ち」

矢田の薄い唇がゆっくりと桜の唇に触れた。
伏せた桜の睫毛は涙によって艶めいていて、二つの唇が上下で潰し合う様に重なる。
数秒が数分にも思えた。いや、もしかしたら一秒にも満たなかったのかも知れない。
だけど、ふにゅっとくっついた唇は焼ける様に熱く、嵐の様に衝撃的だった。

一つであった物が分離する様な、最後までゆっくりと伸びる感じで二人の唇は離れた。
確か単細胞生物が核を分離する際に起こりうる状態……みたいな?などとぼんやりする脳味噌の隅の方で矢田は思った。

見れば見るほど矢田にとって桜は可憐で仕方ない。頬を少し紅く染め、俯いた桜を矢田は抱き締めたい衝動で一杯だった。
「桜ちゃん、可愛い」
矢田は迷わずそう言う。そうして、またゆっくりと唇が降下する。
矢田の薄い唇が、桜の、それこそ桜色に染まった頬や瞼や唇に。ちゅっ、ちゅっと軽い羽の様なキスを繰り返した。

(たまんねぇ)
矢田のキスの回数と共に、自身の逸物も芯を持ち始めてくるのが解った。
体と精神は切っても切り離せない。自分の薄っぺらい理性を恨むが、ムラムラとした妖しい気持ちが満ち足りてくるのが解る。

指先に力が入る。
駄目だと解っていても押し倒したい衝動に駆られる。
桜の瞳が誘っている様に見える。
(駄目だって、そんなんじゃ……全て、俺の思い違いかも知れないけど……)

矢田は渾身の力を込めて桜の体を引きはがした。と、言っても桜がくっついていた訳でも無く、キスから先へとダイブしたい自分を、引きはがした様なものである。
両肩を掴まれ、キスをされ、それなのに、いきなり"無かった事"みたいに中断された桜は、案の定驚いた表情だ。
「桜ちゃん、ごめ……」
言って逃げるつもりだった。
矢田は桜に背を向けて、腰を上げた瞬間だった。


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