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いつもの場所で
【青春 恋愛小説】

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いつもの場所で-4

疲れきった俺は一人部屋を抜け出し、近くのコンビニへと赴いた。
何を買うわけでもなく、新商品を物色していた。
(おでんかぁ・・・・。もうそろそろ季節だなぁ・・・。)
「大根と卵と白滝とはんぺんください」
(俺の好きなやつばっかり頼んでる人がいる・・・誰だ・・・?)
俺は気づかれないようにそっとその人の方を向いた。
「・・・橋本・・・?」
俺の呼びかけにその人は振り返る。
「・・・蓮次!」
おつりを渡そうとして渡せないで苛立っているコンビニ店員をよそに俺たちは奇跡の再会とばかりに喜んでいた。
まぁ、喜んでいたのは俺だけかもしれないけど・・・・。





「まさかあそこで蓮次に会うなんて思わなかったなぁ・・・!」
「俺も!!橋本制服だけど、塾だったの?」
コンビニにいたときはあまり見てなかったが、よく見ると橋本は制服を着ていた。
「うん、大学受験のためにね。通ってるんだぁ。あそこのコンビニ塾から近いからよく行くんだよね!蓮次はなんであそこにいたの?」
塾か・・・ちゃんと将来見据えてるんだなぁ・・・。それなんて過去に縛られてたのに。
「俺はあそこのコンビニが家から近いから。今日はたまたま家にいづらかったからさ。行ったんだけど・・・。」
そぉいや、今頃俺の部屋大丈夫かな・・・。今日親も妹もいないからラブホ化してなきゃいいけど・・・。
「いづらいって!?まさか両親が喧嘩してるとか!?!?!虐待されてんの!?あたしが助けてあげるよ!!」
警察に通報する勢いの橋本をなんとか止める。
なんで虐待とかの方向にいくんだ!!どんな頭だよ・・・。
「いや、隼とか吉田が彼女連れ込んでるんだよ。だからいづらいだろ?俺。」
「なぁんだ!!心配して損した!」
って、勝手に話大きくしたのお前だろ・・・。
と心の中でツッコム。
「そういえば、蓮次あたしの名前知らないでしょ(笑)」
「え・・・・・。」
そういや、橋本の名前ってなんだ???
作者ココまで一回も出さなかったから(考えてなかったから)わかんねーよ
「やっぱりなぁ・・・隼も覚えてないみたいだし・・・。」
「ごめん!!なんだけ??教えて??」
ったく、作者なんでココまで出さなかったんだよ!
てゆうか考えてなかったんだよ!!
「自分で調べなさいっ」
自分でか・・・・。調べてやるよ・・・いや、調べて見せるさ。




体育祭が明けて最初の授業がある日、俺はこっそりと名簿を見た。
そこで初めて橋本の名前を知った。
橋本 玲緒那(はしもとれおな)
力強くて、自分の意思がしっかりしてる橋本に似合った名前だと直感した。
早く『玲緒那』と呼びたいと思った。でも、こんなに早く呼んでもいいのかわからなくて、裏庭で頭冷やすことにした
「はぁ・・・寒くなったなぁ・・・。」
例のごとく俺は芝生に寝転んで目を瞑った。
今日は秋晴れのためか赤くなって生きていると実感できる。
芝生のいい香りがして、少し寒いぐらいの風が日光で温まった体をいい感じに冷やす。
そのときに、心地いい甘い香りがした。
あいつがいつもつけている香水の匂い。
俺の鼻はあいつの匂いを嗅ぎ分けるぐらいに成長したらしい。


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