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今は。そしてこれからもずっと・・・
【ファンタジー 官能小説】

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今は。そしてこれからもずっと・・・-3

僕は家に帰ってからも彼女に振られた辛さから泣き続けていた。
泣けば涙といっしょにこの辛さも流れ落ちてくれる。
そして、僕の心の中の絶望は希望に変わるんだ。
そうやって辛い事を忘れて、生きていくんだ…人間は。
そして僕は一晩中泣き明かした。
泣いて泣いて…もうこれ以上涙が出なくなるまで。
それで僕は泣き止んだ時、妙なすがすがしさを感じていたんだ。
それは、辛さを軽減する為の脳の働きで脳内麻薬が分泌されていたから。
…人間は、辛い事を忘れる事で明日を生きていけるんだな。
なんて思って、僕は学校への道を歩き出した。
それは。いつもと同じだが何か違うような気がしたんだ。
なんか、妙に初々しく感じたんだ。
そして僕は学校に着いた。
そのまま僕は席に座る。
特に親しい友達なんかいないから、挨拶なんてしない。
クラスメートだとはいっても所詮は他人なんだから。
例えば今ここで僕が困っていても誰も助けてはくれないだろうし、
僕だったとしても助けない。所詮は関係のない他人なんだから。
でも。
がらがらと扉の開く音がして、蒲乃菜ちゃんが入ってくる。
お互い一瞬顔が合うが気まずさで顔をそむけた。
そのまま、ちょこんと僕から見て斜め左前の席に座る。
蒲乃菜ちゃんは特別なんだ。他人なんかじゃない。
ずっと僕が好きで、恋人に成りたいって思っていたから。
…まあ、それも終った事なんだけれど。
そして、今日も退屈な学校での一日が始まったんだ。
「えーでは次の問題を…」
今日もまた暇な僕は、蒲乃菜ちゃんを見つめていた。
熱心に先生の話に耳を傾けながら要所要所を色ペンでチェックしている。
その一生懸命さが僕を惹きつけているんだろうか。
彼女の後ろ姿を見つめながらそう思ったりしたんだ。

昼休み。
特に誰とも一緒にご飯を食べる様子もなく、自分の席で弁当を一人で突く蒲乃菜ちゃん。
そんな彼女の日常の光景を僕はただ黙ってみている事しか出来なかったんだ。
そこに自分が入っていって彼女と一緒に微笑むことは出来ないんだ。
今は。そしてこれからもずっと。
でもいいんだ。僕は彼女を見つめているだけで。
今は。そしてこれからもずっと。
いや、想い破れた今。それしか出来ないというのが正しいと思った。


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