「雨のち虹」第2話「ヒーロー・andブラッククロス」-9
「先輩は‥？」
「ちょっとね」
佐々垣先輩が応えた
空先輩はどこにいったんだろう‥？
トイレとかだろうか
「あいつは、賑やかなのは好きだけど、反面長時間人と接する事ができないんだよ、
だから何時間かに一回一人になる為に居なくなる‥癖みたいなのがあるんだ、
特に今日は初対面の人が多いから少し一人の空間が欲しかったんだと思う」
「そんな感じには
見えないんですけど‥？」
明くんも蛍ちゃんも
もちろん私も簡単には信じられなかった
先輩は見た感じの
雰囲気だけなら悩みがなさそうな、のんびりした感じに見えたからだ、
「まぁいろいろあってね‥これからも空が消えた時はできる限り
放っておいてあげて」（宗
「わかり‥ました」
そうは言ったものの
なんだか先輩の事が気になってしまう‥
すると蛍ちゃんが
まるで待っていたかのように立ち上がる
おかげでやっと解放された‥思わずため息が出てしまう
「あの！失礼を承知でちょっとききたい事があるんです」
「それは、空がいない方が話しやすい事？」
「はい‥！聞いておきたい事があるんです。合世先輩について」
そう言うと、このあたり一体の情報誌を取り出し机に置く
「蛍ちゃん？
一体何を‥これ二年前の情報誌だよね？」
情報誌は二年前の物のようだ
蛍ちゃんはその中で一番大きい記事を指
差している‥一体何を聞くつもり何だろう‥
私の中に僅かな不安がよぎる
「これ合世先輩の事ですよね？」
「‥そうだね」
複雑そうな顔で佐々垣先輩が応えている
そして私は、その記事について驚いている
その記事は
あまりにも先輩のイメージとはかけ離れた
事件の物だったから
「これって、どういうことですか‥？」
記事にはこう書いてあった、