「ごみすて」-5
「ひぃやぁぁ…っ」
女は片手で千佳の扉をひねるように広げ、その間で呼吸するように動いている秘花に中指を入れ始めた。乾いた性器は、そのゴム手袋の感触から逃げようと蠢く。
「ぎ…っ、いた、痛いっ!」
もう片方の手は、秘花の下にある真珠を責める。小さく縮こまっているそこを、乱暴に押し潰す。
「いやぁ、いやっ! もう、しませんから…っ! 許して、それ以上しないで。お、お願いですからっ!」
女がゴム手袋を外す。
きゅっ、という音がした。どぎつい朱に染めた爪が現れた。
その伸びた爪が千佳の真珠を挟む。刺されるような感触に全身が震えた。だが爪は、ためらいもなく真珠をねじった。
「ぎゃぁぁっ!」
悲鳴が、マンションの立ち並ぶ、ひと気のない路地に響いた。
「このまま、ちぎってみようかしら? どうせ一人でする時にしか役に立たない、スケベ女の、いやらしいトンガリですもんね」
「痛い、痛いですっ! やめ、やめてぇっ! 助けて、誰か助けてぇっ」
言い終わらない内に、千佳の尻を、女が平手で打った。皮を剥いた真珠を、さらに強くひねる。
「ぎゃひぃっ! ちぎれるぅっ!」
千佳は衝撃のあまり道路に肩を滑らせた。白いシャツが裂けた。水色のブラジャーが剥き出しになった。
今度は親指がねじ込まれた。女性器の粘膜の弱さを怖れる男なら、そんな挿れ方はできない。同性ならではの、情け容赦のない動きだった。
「や、やめて…、痛い! 許して、ごめんなさい、ごめんなさいっ」
尻が波打つ。乾いた穴に太い親指がもぐっていく。身体の中心の薄皮を、ぎしぎしと引っかきながら、千佳を蹂躪する。
「ちゃんと捨てますっ、だから許して下さい…」
ひざまずいた姿勢で女に頭を下げた。
怖さで、肩が震えている。
背中で縛られ、上を向いてすがるように動く千佳の手のひらに、男が三つのコンドームを載せる。冷たく、ぐにぐにと動く感触は軟体動物のようだった。
「いや…」
千佳の白いシャツがめくれて、締まった腰がくねる。ブラジャーのストラップもずれ、水着の日焼け跡がうっすらと見えた。
「落としたら、口で拾わせるよ」
男が、並んだコンドームをぐっと押す。中から溢れた精液が千佳の指を伝い、裸の背中に垂れた。どろりと溶け出した精液が、背骨のくぼみに沿ってじんわりと流れる。
女が千佳の肩を押さえた。アスファルトに押し付けられる。千佳の涙とよだれが、道路に黒い染みを点々と作っていた。
「ゴミは、元の場所に戻さないとね」
女は片方の親指で入り口を掻き回して広げながら、もう一方の指で、千佳の手のひらに並んだ中から、先ほどの破れたコンドームをつまむ。
親指で無理やり広げられた秘花に丸まったコンドームをあてがう。
「ひあぁっ、な、何っ?」
きゅっと尻をすぼめる。秘花の入り口がすくんだ。
そこを閉じると、後ろのもう一つの孔が、皺を伸ばすように、ぬっとふくらんで、山のようになった。
盛りあがった後門を、女がつついた。
「ひっ!」
恋人にすら触られたことのない場所。そこを女の指が押す。
後門を、締める。
すると前の秘花は緩んでしまう。
コンドームが、じわりと入って来る。ゴムの感触。尖った爪。押し開かされる襞と筋肉。
「はぅっ」
身体が先に反応して、それを押し返そうとする。
後門が、ぐぐっと広がる。ぷっちりした赤い内臓が覗く。女の指が、そこを弾く。
「ひんっ!」
また、自然に秘花を締める力が抜けて、ずぶ、っとコンドームが入りこむ。
人差し指で女が押しこんだ。
「きゃぎぃぃっ!」
声を堪えることもできなかった。裂けるような声。ねちねちしたゴム手袋の感触が、身体を突き抜ける。
顔を歪ませ、白目を剥いた千佳の顔を、男が両手で掴んで上を向かせる。
「いい表情だな。いやらしい。ザーメンの臭いを嗅いで、嬉しいんだろう」
「ひどい…ひどいよぉ…、こんなの…」
うわごとのように呟く千佳。
女はもう一つ、腐りかけた精液の貯まったコンドームをつまんだ。先が太り、揺れている。
「これで妊娠したら、やっぱり人工受精って言うのかしら」
甲高い笑い声を上げて、コンドームをひくひくと異物に怯える秘花にあてがう。本来の使い方とは逆に、貯まった精液を押し出すような向きで。
「ひぎっ」
「このドロドロがいいんでしょ? 男狂いさん」
ためらわずに詰めこまれた。コンドームの中から溢れた、冷たい精液がぬるりと滑る。女の指で傷つけられた粘膜に、精液が染みる。
「あうぁっ!」
潤いのない秘花の中で、精液が溶け出す。中指でかき混ぜながら、ねじれたコンドームが千佳の奥へと進む。
「おぇっ! 奥、痛いぃっ! 裂ける、裂けるぅっ!」
力が入らない。千佳の脚が痙攣する。声が出せない。ぱくぱくと口が開き、喉が震えるだけだ。