無銭湯記スパゲッチュー 〜復路〜-1
第21話『疫病神、復活』
「やっと見つけましたわっ!」
一人の女性が俺達を呼び止めた。観ればその女性、怪しげなマント姿をした女魔道士である。
貴族のような言葉遣いからして、そうとう各の高い魔道士のようだが。……はて? 俺の知ってる奴に、貴族なんか居ないはずだが……?
「今度こそわたくしを、仲間にしていただきますわ」
女魔道士はそう言うと、俺やレイモンドをあざ笑うかのように、口元に手を宛がいながら「カーカッカッカァ!」と、高笑いする。
なんか…… むかつく奴である。だいたいこう言う女は、俺も嫌いだった。
そんな彼女を、口を開けて眺めて居たレイモンドが、俺にないしょの耳打ちでもするかのように、ヒソヒソッと言って来た。
「ねーねーユグン…… この人って14話で、魔法を使い過ぎて死んだ人じゃなぁい?」
俺は思わず ”はっ!”っとした。
次の瞬間、俺は目の前の怪しい女魔道士を指差し、叫んでいた。
「あっ! あんた死んだはずじゃ!! ままっまさか幽霊!?」
すると女魔道士は物凄い剣幕で怒り出し。
「勝手に殺さないでほしいですわっ! だいたい貴方がたがですわね! くどくど、くどくど…」
何やら苦情めいた事を、マシンガンのように言い始めたではないか。
どうやら話が長くなりそうなので、俺達は先に行くことにした。
「……あっ! こら!! おまちなさい!!」
つづく