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無銭湯記スパゲッチュー
【ファンタジー その他小説】

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無銭湯記スパゲッチュー 〜復路〜-2

第22話『引いちまったぞ! 貧乏くじ』
 町で出会った女魔道士は、名前を『フェアリアス・フォン・ベナクール』とか名乗りやがった。それでもって、昔からの仲間だったかの如く、大きな顔をしやがる。面倒臭いから、俺もレイモンドも彼女の事を『フィリス』と呼んだ。
 自称『アズラエル共和国』で一番の魔道士だと、自慢して見せる彼女。加えて自分は、名門貴族の出身であり、その美貌たるや天下一品で有るとも言い張って、効かない。別に頼んだ訳でも無く、そんな事を勝手に自己紹介して依頼、フィリスはずっと俺たちに付き纏っていた。
 そんなフィリスのお陰で、旅の行きずりに現れる、モンスターとの戦いが何時も面倒な事に成っちまう。
「相手はスライム、ムカデー、それにチョウチョだ! 皆、気を付けろよ!!」
 俺は背中合わせで身構える仲間達にそう叫びながら、襲ってきたムカデーを剣で斬り付けていた。
 レイモンドはチョウチョを捕まえて、大喜び。
 そしてフィリスは……
「サンダーボルトー!!」
 持てる自身の全魔法力を解き放ち、電撃魔法でスライムを攻撃していた。
 当然スライムは、カスも残らず消し飛んだ。と同時に、フィリスも又、疲れきってその場に倒れ込んだ。
「相変わらず小技のきかないやつだ!」
 俺は、倒れたフィリスを道端にどかすと。
 薪を集め。しかたなく、今日はここで野宿する事にした。

 つづく


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