無銭湯記スパゲッチュー 〜復路〜-12
第32話 『それって超天才??』
前回の町に居られなくなったので、魔石の細工をシュタインペックじじい博士に頼めなく成った俺たちは、魔法科学のことなら爺(じじい)博士以上だとも噂される、闇のマッドサイエンティストを尋ね、フィリスの魔法を制御する装置を作ってもらうことにした。
何でもその博士、違法な改造やら非人道的な実験をして学会を追放されたとも聞くが。この際背に腹は変えられないだろう。
「あっあなたが闇の天才科学者と言われている『レオニード博士』!?」
俺は尋ねた博士を目の前にして、腰を抜かさんばかりに驚いていた。
見ればこの博士、まだ11〜12歳ぐらいの子供なのである。
「ただのお子ちゃまじゃないの!」
例によってレイモンドの奴も、博士を馬鹿にして、毒吐いたりする。
確かに子供ではあるが、レイモンドよりかは大人っぽく見えるのは、やはりこの人の知性なのだろうか。俺はそんな事を思いながら、博士をからかって遊んでいるレイモンドを、横目で見たりもしていた。
「お子ちゃまって言うなー! ぼくを馬鹿にすると、何も作ってやらないぞー!!」
どうやら博士、からかわれて頭に来たらしい。が、そんな風にむきになるところは、やっぱり子供だったりもする。
「ああ〜すみません! そー言わずお願いします!!」
俺はとりあえず、取り乱して暴れるお子ちゃま博士を上手く宥め、何とか魔法制御装置の作成をしてくれるよう必死で頼んだ。
「へーぇ『キャスター』の魔石とはねぇ。珍しいねぇ」
何だかんだ言ってもまだまだ子供。男の子は新しいおもちゃに目が無かったりもする。博士は『キャスターなる黒魔石を目の前にして上機嫌だったりもする。
「おおっ! さすが博士っ! 解りますか!!」
「当然だよ! ぼくは天才なんだからね!!」
嫌なガキである。
それでも煽(おだ)てておかないと不味いだろう。ここは我慢だったりもする。
「これで、魔法制御装置を作ればいいんだね」
「出来ますか?]
「簡単だよ! じゃあ次回はその原理を説明するね。つづく」
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