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Twilight Closse
【青春 恋愛小説】

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Twilight Closse X 〜ニラ玉〜-1

Twilight Closse X 〜ニラ玉〜
次の日、事の次第をじろーに話してみた。
「と、ゆーわけだ」
「断言しよう。お前は人間じゃない」
人間外認定でか。そうですか。
「お前は何だ?聖人紳士か何かか?」
「いや、お前はあんな可哀想な娘を見捨てる事ができるねか?いや、できないだろう」
「そういえばお前、昔はコンビニの募金箱に良く入れてたな」
「最近寄金を着服する屑がいるからね。迂濶に募金できなくなっちまったよ」
大きなため息を、じろーは吐いた。そんなに吸い込んでも、お前じゃブレス系の攻撃は反せないぞ。
「お前の世話焼きは筋金入りだな。今時いないぞ。そんなやつ」
どことなくゲンナリしたじろーはグチグチ何かを言い出した。
「そんなだから西野も鈴ちゃんも困ってるんだって…」
「ン?何?西野と鈴がどうしたんだよ」
「いや…何でも」
いつか俺が言ったセリフで、ごまかした。
「ニブチンが…」
「?」
「つうかお前、実は奥山が好きなんじゃねえか?」
「は?」
好き?まぁ、嫌いでは無い方だ。
「ハァー…駄目だな」

「奥山 暁。春日中の卒業生だね。成績や友達関係は悪くはなかったみたい。でも始業式の日から丁度3日後、引きこもりだしたみたいだよ。顔でランクを付けるならB++位かな。随分前にお父さんを無くして、今はお母さんと二人暮らしらしいよ」
「そっか。ありがとな。亮介」
「いやいや。それほどでも」
童顔で腹黒の美少年はクスリと笑った。
斉藤亮介。全く、コイツの情報集積能力はすごい。近所の噂からブラジルのニュースまで、何でも知ってる。
将来、国際的なスパイになれるな。間違いない。
「ああ、でも最近アイツは一人暮らししてるぜ。本人もそう言ってた」
「え?会いに行ったんだ。へぇ〜」
再び、クスリと笑い、俺の目を見つめてきた。
「とうとう十字朗にも春が来たんだね。ウンウン」
「春?今は夏だろ?」
俺の台詞が期待外れだったらしく、亮介はがっかりしたみたいだ。
「ふ〜ん…やっぱり滋郎君の言った通りだね。ちょっと残念かな」
「?」
「まぁいいや。じゃ、情報料を貰うよ」
「ああ。受け取れ」
鞄からクッキーの入った袋を取り出す。もちろん手作り。そう言う約束だったしな。

「まいどあり〜♪」
「つか、クッキーなら他の女子に頼めよ」
「十字朗のが一番美味しいのが悪いよ」
確かに菓子づくりは自信がある。この学校の中じゃ、間違いなく上位クラスだ。
「じゃ、また聞きたい事があったら頼むわ」
「任せてね」

「邪魔するぞ」
3度目にもなると、玄関で粘るのも人目に着かぬようエレベーターに乗るのも、時間の無駄が省かれる。サクサクと902号室の玄関を開けた。
「おっす。また来たぜ」
「…」
無表情だが、気付くのが困難な位驚いてる。
今更だが、それが正しい反応だ。出来ることなら、最初お粥を作った時にしてほしかった反応だ。
「…」
奥山は少し俺を見て、諦めた様にスリッパを出してくれた。
先にカップ麺殻をどうにかしろと言いたかったが、我慢した。


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