婚約者 〜被虐〜-4
豪奢な造りをした屋敷の中でも、一際豪勢な一室。
その部屋の主はダイニングルームにしつらえられた食事の席で、響美の事を待っていた。
八人は楽に座れる長方形のテーブルには、純白のクロス。
ボウルに活けられた小花が、食卓に彩りを添える。
響美は、神取が引いた椅子に腰掛けた。
彼の前には正餐の準備が整えられているのに、響美の前には何もない。
神取は、訝しがる響美の斜め後ろへ立つ。
視線を上げた響美は、初めて自分の未来を所有する者を見た。
年は一つか二つ、下に見受けられる。
美しく穏やかな顔立ちだが、見掛け通りの好人物では無論ない。
好人物なら、借金の肩代わりを条件に人の事を家畜扱いするはずはないのだから。
切れ長の目が、響美を優しく見守っている。
どうしようもない程に高まっていた股間の疼きもしばし忘れ、響美は彼の視線を受け止めた。
「初めまして……で良いかな?報告によると君は、僕の事を覚えていないそうだから」
容貌にマッチした声でそう言い、少年は微笑んだ。
「自己紹介しておこう。僕の名は野々宮聖治。君の主人で、婚約者だ。『ご主人様』と呼ぶ事を、特別に許そう」
「……」
「ではお坊ちゃま。改めて、紹介させていただきます。名は響美、十九歳。身長百五十六センチ、体重は四十二キロ。トップバスト八十七とアンダーバスト六十八の、Dカップ。ウエストは五十七、ヒップは八十四。過去から現在に至るまで異性交遊はなく、全くの男知らずです」
少年――野々宮聖治は、満足そうに頷く。
「まずは腹拵えをしよう。可愛がるのは、その後だ」
聖治が柏手を打つとどこからか現れたメイドが、聖治の前に恭しく前菜を供した。
二つの皿を、聖治の前に。
「フォアグラのテリーヌ。未来の花嫁のために、最高のものを用意させた」
聖治はナイフで切り分けたテリーヌを口へ運び、ゆっくりと味わう。
「うん。家のシェフは相変わらずいい腕をしているな」
もの問いたげな響美の視線に気付き、聖治は目を微笑ませた。
「響美。まさか牝犬の君が、人間と同じ食事が出来るとでも思っていたのかい?」
柔らかな物腰は変わらぬまま、聖治はさらりとそう言う。
「犬には犬に相応しい食器を用意させた」
聖治が、再び柏手を打った。
メイドが現れ、聖治の足元にそれを置く。
ペットショップやホームセンターで見掛ける、ありふれた犬用の皿だ。
「神取」
「はい」
今まで直立不動の体勢を取っていた神取は響美を椅子から引きずり落とし、聖治の前へはいつくばらせる。
「ほら、響美。犬にはもったいない、美味しいご飯だよ」
聖治は、手付かずのテリーヌを食器の中へ落とした。
「食べなさい、響美」
響美の秘裂をいじりながら、神取は言う。
「う……うう……」
腹が減っており、ハンストなどという抵抗手段を知らない響美は、落ちて形の崩れたテリーヌへ舌を伸ばした。
涙が一粒、頬を伝い落ちる。
ぺちゃっ……
「そう。犬は犬らしく、四つん這いでご飯を食べなさい」
青年と少年は、響美の惨めさを増長するような笑いを浮かべた。
響美が皿を舐めて綺麗にした所で、次の料理が注ぎ込まれる。
次はスープ……ヴィシソワーズだ。
ぺちゃぺちゃと音を立てて、響美はスープを舐め取る。
次は、メインディッシュ。
一口大に切られたサイコロステーキが、皿に落とされた。
付け合わせのポテトや人参が入り、その上からソースがかけられる。
はふはふと息を吹き掛けて冷まし、響美はステーキを平らげた。
今度も皿を綺麗にすると、一口大にちぎられた野菜サラダとドレッシングが落とされる。
股間の疼きに耐えながら、響美はサラダを平らげた。
デザートは作り立てのアイスクリームとフルーツのカクテルが用意されていたが、響美はさすがに断る。
「そうかい?それじゃあ神取、響美の処女膜をぶち破って」
何気ない口調でさらりと言われたため、響美は最初理解出来なかった。
「かしこまりました」
だが神取がそう言って頷き、響美の体を抱き上げてテーブルの上に乗せた辺りでようやく事態を理解する。
「やああああっっ!!」
猛然と暴れ始めた響美の両頬が、高く鳴った。
神取が、響美の頬を張ったのだ。
「響美。肉奴隷が人間に逆らう事は許されていません。諦めて大人しく、聖治様の前で私に処女を奪われなさい」
神取は響美の手首を握り締め、力を籠める。
「いぎッ……!」
痛みで、目尻へ涙が滲んだ。
「聖治様。肉奴隷響美が処女を失うその瞬間を、どうぞご鑑賞下さい」
神取は手早く肉棒を取り出し、響美の秘部へいきなり突き立てる!
「アヒイィイイイーーーッッッ!!!」