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友情の方程式
【学園物 恋愛小説】

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友情の方程式2-1

昼休み。
午前中の授業が終わり、各々が自由に使える時間。
たいていは、ご飯を食べるが。
俺は、数人と適当に話ながら弁当を食べる。
内容は
『あのゲームさぁ…』
と言ったもの。
要するに彼らは今、よく聞く”オタク”だ。
といってもバカに出来ない。
勉強がそこそこ出来たり、何かしら頼み事をしたら喜んで引き受けてくれるから、仲間としては重宝している。
ご飯を食べ終わり、加藤の方に行く。
でも、加藤は別の方を見ている。
その視線の先には…
一緒のクラスの、北川がいた。
加藤と北川は付き合っていて、その話は加藤から何回か聞いている。
クラス全員と隔たりなく話せる俺だが、北川だけは苦手。
自分が一番…というか、お坊ちゃま気質が出ていて、苦手。
しっかり者で、明るく気が利く加藤に、自分が一番!という感じの北川。
俺から見たら、北川に加藤は勿体ないと思う。
でも二人の問題だから、とやかく言う気はない。


『また見てる〜そんなにあいつがいいの?』
冗談っぽく言う。
『いっいいじゃん、別に!』
顔を赤くしながら答える加藤。
こいつもこんな反応するんだな、面白いや。
『まぁ別にいいけど…どこがいいの?』
何となく前から気になってたから聞いてみた。
『どこが…ねぇ。私も分かんない』
分かんないといいながら嬉しそうな顔をする。
愚痴しか言わないのに。
『まぁせいぜいお幸せに。あっさっき彼女からメール来て、一緒にご飯食べよ〜だって!可愛くない?』
『良かったじゃん。私も今日、あの人と出掛けるし』
どうでもよさそうに、話す。
『へ〜まぁ楽しんで〜俺も彼女と仲良くしよっと〜』
『…あんまり、彼女求めると嫌われるよ?』
と呆れ気味に言われる。

勿論意味を分かって言っている。加藤とはそんな話もできてしまう。
『そんなことばっかりしてません〜』
『あっそ。せいぜい仲良くね』
そう言ってどこかへ行った。
加藤と俺の関係。
友達…みたいなもんだが、お互いのメルアドも知らないし、常に一緒にいるわけではない。
喋りたい時に喋る。
だから、今みたいに加藤だけがどこかへ行ったり、俺だけどこかへ行ったりということは日常。
周りの男子みたいに常につるむという関係ではなくさっぱりした関係だ。
これが加藤と俺が話の合う原因かもしれない。
勿論、学校でこんな感じだとは晶は知らない。
学校も違うし、学年も違う。向こうの方が一つ下だ。家は、駅でいうと一つ分。近所だ。
この距離が何とも言えないくらいに楽だ。
今日のご飯は何だろ…
そう思いながら、自分の席に着き、午後からの授業に備えることにした。





午後の授業も終わり、速攻教室を出る。
ケータイで時間を確かめる。
学校から駅まで10分。電車は、15分後に来る。ちょっと余裕を持って行けそうだ。
駅には10分で着いた。
電車が来るまで、適当にケータイをいじる。
今日、晶と会ったら何を話そう…そんなことを考えながら。

しばらくして電車が来た。
隣の車両には加藤と北川が一緒に乗り込んでいた。
加藤だけなら、話し掛けるのに…
そう思って、見ていた。
ドアが閉まり、俺は車両の連結部の近くに立つ。
そこからは二人の様子がよく分かる。
加藤が笑顔で話しかけている。ちゃんと女の顔になっている。


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