偏執狂愛-2
「ひゃぁっ」
その思考の中、由梨は後孔に裂けるような痛みと快感を感じ、声を上げた。
「こんな太いバイブも入っちゃうんだね。じゃあ、こっちにも…」
中年男はそう言って、もう1つバイブを手にすると陰唇を広げその間の秘裂にも突き挿れた。
異物が由梨の胎内でせめぎ合い、その存在を主張している。物質の質量は由梨の胎内の許容範囲ギリギリで、張り詰めた肉壁はそれだけで強力な快楽を生み出していた。
両方のスイッチを最大に入れその様子を伺うと、由梨は腰を振りながら悦ぶ。
「あ、ああ…。バイブが…中でぶつかって、気持ちいいです…」
由梨は太腿まで淫液を垂らしながら、その口は男自身に吸い付き、じゅるじゅると音を立て口腔と舌で奉仕する。
頭の中は耀司への愛しさと、ただ主に自分の痴態を曝け出し、満足して貰う事のみを望み、感情が高ぶっていった。
「んふっ…あぁっ…!!!!」
男がバイブを前後に動かし、由梨の内壁を掻き回すと、そのまま大きな声をあげ由梨は絶頂を迎えてしまった。
「由梨ちゃん、1人でイッちゃうなんて、スケベな子だね。そんな由梨ちゃんには、お仕置きしてあげるからね」
耀司の視線が注がれているだけで、何度も絶頂を迎えそうになるのを我慢して、由梨は何とか声を振り絞る。
「由梨は、スケベな子です…。お仕置きしてください」
自分の体を蹂躙していく数多の男達は、全て主の身代わり。
お仕置きをして欲しいのは主である耀司だけなのに、というジレンマすら快感に摩り替ってしまうほど、由梨は肉欲に溺れていた。
仰向けに寝かせられ足を大きく広げられると、由梨は自分で膝を持つように言われる。そうした後で秘壷のバイブを抜き、男は代わりに自分自身を挿入した。
ゆっくりと侵入してくる男自身を受け入れ易く力を抜いてジッとしていると、遠くから漂ってくる耀司の雰囲気が変化していた。
ただ熱を帯びていた先ほどまでの視線とは違った、ある意味狂気を孕んだ視線。
由梨の全身は総毛立ち、それと同時に恐怖とも快感とも捉え難い感情に支配された。
「由梨ちゃんのアナルのバイブ、おじさんのおち×ちんにも当たって、気持ち良いよ」
中年男は由梨の体の変化を、自分が与える刺激の所為だと信じて疑っていない。由梨の視線が時折、主の佇む場所へと動いているのすら気付かず、ただ目の前の女を陵辱し玩ぶ事しか考えてはいないのだ。
空いた手で、クリトリスにローターを宛がわれ、由梨はすぐに高みへと追い立てられる。
「ぁあっ!そんなにいっぱい、責めないで下さい」
「まだ、イッちゃダメだよ。お仕置きなんだから、ちゃんと我慢しないと」
ブルブルと全身を震わせ、由梨は尻まで愛液を垂らす。
それは単に、由梨の股間を責め立てる律動や振動ではなく、主の視線が絡みつくからだった。
男が腰を揺らす度に、たぷたぷとした腹も波打ち、肌がぶつかる音が部屋中に響いた。
「おじさん…イッちゃいそうだよ。由梨ちゃんも、一緒にイこうね」
「はい。一緒に…イかせて下さい…」
ハアハアと暑苦しく呼吸をし、由梨に腰を打ちつける男に、由梨もまた腰を振った。
耀司に抱かれている事を想像し、耀司の全てが欲しくて、自らを獣の様に変える。
「…っ、イクよ!?」
耀司の視線が由梨の隅々を犯す。
「由梨も、イキますっ!!」
身体だけではない、脳細胞の1つ1つまで犯され、隷従させられる感覚。
服従させられる悦びに打ち震え、全てを投げ出してその愉悦にしがみ付く。
それが由梨の快感の全てだった。
「っ、ぅ…」
男は小さな呻き声を上げ、ぶるりと身震いをして由梨の胎内に欲望を吐き出した。
「あアァッ!!」
耀司の存在感と視線の中、由梨は主に抱かれる事を想像しながら果てた。
「やっとお目覚めかい?由梨」
倦怠感と疲労感で重たい身体を起こし、由梨は声の主の方に顔を向ける。
起き上がった拍子に、先程男が吐き出した精子が由梨の股間を伝うと、下腹部に疼くような熱が込み上げて来る。
別の誰かに犯される嫌悪感よりも、耀司の愛が注がれる事実だけが由梨にとっては重要な事だった。
髪を梳かれ、頭を撫でられる。
何事へも代え難い、この瞬間。
「こっちにおいで。身体を綺麗にして上げよう」
そう言って、耀司は目を細め、満足げな笑みを浮かべた。