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潮騒の郷@美少女・海戸田雅子
【OL/お姉さん 官能小説】

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潮騒の郷@美少女・海戸田雅子-6

第七章
同じ日、潮騒の郷ホテル、メインダイニングの調理場でサラダを担当してる谷本滋は、喫茶軽食コーナー「ブルーパール」にヘルプに来ていた。ブルーパールの担当コック、岩木哲郎が休日のため、その穴埋めである。
午後12時半。主任調理師の大門栄次から、食事休憩を取るように指示された。
(いちばん忙しい時間帯に休憩かよ。俺は戦力とみなされていないんだ…。)
滋は、暗澹たる思いをひきずりながら社員食堂の席についた。ふと、テーブルの右端に目をやると、私服姿の浜口恵美利がぽつんと座ってコーヒーを飲んでいた。群れから離れてしまったはぐれ鳥のようなわびしさが、彼女の影にまとわりついていた。
「恵美利さん、どうしたんですか?」
「今日は哲ちゃんとデートの約束してたのに……。昨日の夜、断わりの電話があって…。こんなこと始めて…」
滋は言葉が出てこなかった。
今朝、ブルーパールへ出勤するとき、寮の玄関先で何気なく聞いた会話が胸の中でリピートした。磯和紀子と同僚の会話だ。
「雅ちゃん、今日はデートなんだって〜。朝早く起きて、真剣に洋服選んでたわ。幸せをつかむかもネ。えりかちゃんは彼氏いないの?」
「えー、彼氏なんてまだまだ無理ですよ。洋食の岩木さん、素敵ですけど、高望みかなあ」
(岩木の奴、スケコマシ野郎)
滋はテーブルを叩いた。第八章
雅子と哲郎は、2時にミヒャエル・エンデ原作の映画を見終えて、伊阪市内の「開福亭」で遅い昼食を摂った。
「童話作家の原作を十二分に生かしていた。心暖まるいい話だったな」
「とても感動しました。連れてきてもらって、良かったぁ」
テーブルに特選ポークカツとオムライスが運ばれてきた。
「このオムライス、めっちゃおいしい」
「カツもすごく美味いよ」
哲郎は小さく切ったカツをフォークの上に乗せて雅子へ―。
「雅子ちゃん、アーンしてごらん」
「そんな…恥ずかしいから…」
雅子は頬が染まるのを意識する。
「いいから、アーンして」
雅子の小さな口に、カツをゆっくりと運び、食べさせた。哲郎は怜悧な笑みを浮かべ、次の瞬間、雅子の右手を握ってきた。
(こんなとこで恥ずかしいわ…)
洋食屋をでて、伊阪市郊外にある『小さな動物園』でチンパンジーの調教に二人で挑んだ。雅子には、目に映るすべてが新鮮に思えた。
(来てよかったわ)
帰り道は伊阪高速に乗らずに、パールロードに入る。朝熊山をなだらかに越えて島羽根市内へ抜ける景色のいい道だ。日が沈みかけて、交通量が目に見えて減りだした。
スカGは朝熊山展望台近くの脇道へはいった。苔むしたお寺の山門の前をぐるりと回り、寺裏の駐車スペースで停止した。辺りは静かで人の気配もしない。
「哲郎さん…ここは…」「雅ちゃん…」
哲郎の手が伸びて、右手を握られる。処女の条件反射で、思わず身を遠ざけようとした。哲郎の左手はそれより早く、雅子の肩を抱いた。
(あっ)
引き寄せられた。雅子の胸の上に胸をあわせてきた。哲郎の動きは俊敏だった。シートを倒し、雅子のからだに、のしかかってきた。
「哲さん、やめて…」
「雅ちゃん、好きだ!」あごに手が掛かる。正面を向かされ、哲郎はくちびるを求めてきた。
(やさしい目をしてるわ…)
くちびるを塞がれた。雅子は目を閉じた。生温かい感触。唾液と煙草の匂い。強く吸われた。吸われながら耳をくすぐられる。
(あこがれの人とキスしてる。耳、感じてる…)雅子は吸われながら感覚を追う。
「雅ちゃん、口を開けてごらん」
言われるままに、小さく口をひらいた。舌が―。舌の力で大きく口を開けさせられ、唾液を送り込まれた。唾液は小さな舌に絡みつく。哲郎は舌を絡ませてきた。
(こんなことするなんて…刺激的…)


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