School days 03-3
校内は静かだった。月明かりに照らされ、廊下に並ぶ影が二つ。
「さっき、ぶつかっちゃってごめんね…」
ぽつりと宴が言う。
「もういいよ…」
「でも私まだちゃんと謝ってない…」
「いいって」
遮る賢輔。瞳は真っ直ぐ前を見据えている。
「…じゃあありがとう…」
「だからいいって…!」
いい加減にしろと嗜めようとし、宴を見た賢輔が息を止める。
「私、嬉しかった」
宴が笑っていた。笑顔を初めて見た訳ではない。
何度だって見た。自分ではない、他の誰かに向けられているものを…
でも、今は賢輔だけに向けられていた。彼のためだけに。
(俺にそんな顔見せんじゃねーよ…)
視線を逸らす。賢輔の心に切ない何かが流れた。想いが爆発しそうになる。
「…俺のこと、嫌いなんだろ?んなら馴れ馴れしくすんなよ…」
キョトンとする宴。
「…嫌いじゃ…ないよ?」
正直な話だ。
「恐いけど、嫌いじゃないよ?」
サッと賢輔がこちらを見た。今度は宴が息を止める番だった。見たこともない賢輔の表情。固まる宴に顔が近づく。
「…!」
キスが落ちてきた。
求めるように繰り返される。
ゆっくり唇が離れた。
「な…にすんの…」
「何ってキスだろ…」
また賢輔は瞳を逸らす。宴は困ったような顔をする。
「優しかったり、突然キスしたり…どうしたの…」
賢輔は瞳を逸らしたままだ。
「近藤くん」
名前を呼んだ瞬間だった。賢輔が急に動く。再びキス。今度はえらく激しい。そのまま賢輔は宴の着ている物に手をかける。
「んっ!んー!」
さすがに宴は抵抗するが賢輔の力は強かった。パーカーもブレザーもブラウスも、あっという間に廊下に落ちる。キャミソールを腰に残し、あらわになった
ブラジャーをたくしあげるとポロンと零れる乳房。賢輔の手が優しくそれを包み、揉み始める。先程の男達とは全く逆の扱いだ。
「っん…ん…」
桜色の乳首を指先で弄び出す。やっと賢輔はキスをとく。
「嫌いになれよ…」
聞いたことのない、切ない声。動けなくなる…
賢輔の唇が白い胸の上を滑る。乳首に辿り着き、舌でねっとりと舐め始めた。
「…っあ…んっ、や…っ」
耐えていた宴が、あまりの快感に声を漏らす。
賢輔の右手がパンツの裾から滑り込む。
―ぐじゅう…
既にそこからは大量の愛液が溢れていた。宴は体をよじらせ、更に声をあげる。
「っあ、やっ、ああっ!」
賢輔は溢れるその液をグチャグチャと掻き混ぜ、クリ×リスに擦り付ける。
「あんっっ…あ…はぁっ…ふ…うっ…」
宴の頬は赤く染まり、瞳は快感に酔ってきている。賢輔が乳首から口を放し、耳へ口づける。
「案外お前えっちだな。乳首びんびん立ってるし、下、大洪水じゃねぇか…」
賢輔の熱い吐息と言葉に反応し、宴の陰部からは更に汁が流れた。
(違うよ…)
宴は肩で息をし、必死に自分を支えながら思う。
(私、こんな濡れたことないのに…。勝とだって…)
はっと宴は我に返る。
「いやっ…だめ、やめて!」
賢輔の体を力一杯押すが、それは全く意味がない。
「何だよ、急に…感じてんだろーが」
「だめなのっ、勝がっっ」
勝。桜木勝平(しょうへい)。宴の彼氏だという噂があった。賢輔の心が締め付けられる。
「お前ら…やっぱり付き合ってたのか…」
急に賢輔の声が切ないものに変わる。宴がドキッとして力を緩めた…