fantasy ability・5‐“覚醒”へのcount down‐-9
「‥‥今日は‥‥織音か?」
「‥‥‥ええ。」
「さてと、やりますか。‥‥イメージマテリアライズ!」
だいぶ慣れてきたのか、なんとか五秒で出せるようなった。‥‥今まで、一分はかかっていた。しかし、まだ双剣しか出せない。
「‥‥‥聞かないの?」
「‥‥ああ。俺は織音を苦しめたくないからな。」
「‥‥ありがとう。」
「‥いいって。だが、いつかは話してくれよ?」
「‥‥ええ。いつか、きっとね。」
‥‥その後、少し気まずい状態ながらも、素振りをしている。‥‥そろそろ、“覚悟”を決めないといけないのかっと思うと、気が引いてしまう。‥‥‥
素振りが終わったのは、二時間後だった。いつも道理に風呂に入り、即刻寝てしまった。
‐織音が“宣告”した日、午前六時‐
いつも道理に目が覚めた。‥‥とうとう、“宣告”の日になってしまった。今まで、がむしゃらに素振りをしていたが、果たして“危機”に対して、少しは抗えたのか?
「‥‥お早う、皇。」
「‥‥ああ。お早う、織音。」
「‥‥今日の事、覚えているわね?」
「‥‥ああ。忘れてなんかないさ。」
「‥‥そう。今日で、とりあえずは鍛練は終了よ。」
「‥そうか。」
「‥‥私は“条件”によって何も出来ないわ。‥‥ごめんなさいね。」
「そうだったのか。わかった。‥‥自分を信じるさ。」
「でも、誠慈や光は手伝う事は出来る。彼らに助けてもらいなさい。」
「‥‥前に言ったろう?守られる“存在”だけは嫌いだと、だから、出来る限りの事だけはするさ。」
「‥‥‥そう。わかったわ。でも、無理はダメよ?」
「ああ、わかった。」
いつものように、朝飯を食べ、学校に行った。
‐午後一時、幻光館学校‐
今は、五時間目だ。さて、“危機”はいつ来るのか、わからない。‥‥しかし、織音の事だ。絶対に何かあるだろう。‥‥‥さっきから、校庭が騒がしい。ふと、目線を校庭へと向けた。因みに、教室は一階である。‥‥校門で先生と知らない男性三人がもめていた。‥‥と、いきなり先生が斬られた。教室内は騒然とした。仁と目線が合う。