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自灯明。
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自灯明。-2

僕の落下は止まらない。 
加速しながら。 

「目を開けろ!まだ間に合う。おまえの中の灯火を信じろ!!」 

僕は目を開けた。 
さっきと同じ闇の中。 

灯火。 

見つからない。 

このままじゃ砕けてしまう。 

何処に……… 


信じろ!信じろ!信じろ! 

自分に言い聞かせた。 

その瞬間。
暖かい物を感じた。

胸に確かに感じる暖かさ。 
それを信じた。 

僕はまだ生きたい。 

それはゆっくりと光出してうっすらと闇を照らし始めた。 

初めから光っていた。 

それを信じなかった僕が疑念という黒い物で覆い尽くしていたのだった。 

輝け! 

めいっぱいに! 

世界を浸食し続けた闇を照らせ。 

僕はもう立ち止まらないから。 


……………………………… 
気が付くと僕は初めと同じ場所に立っていた。 

「闇を知らぬ者に光は理解できん!」 

先生の言葉もそれっきり止んでしまった。 


僕は歩く。 

ポケットの中に入り込んでいた一粒のあめ玉を見つけた。 

包み紙を破り口に放り込む。 

甘い。 

美味しい。 

生きている実感と素晴らしさが胸に詰まって我慢できずに声をあげて泣いた。 
生まれ墜ちた赤子のように。 
泣いた。 

新しい僕の誕生だ。 

今日からまた始めればいい。

もう闇は恐れないから。

光の在処を知っているから。


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