find out memory-2
「だーれを探してるのかね、歩くん」
「わっ!」
突然横から蓮の顔が出てきた。
「どーせ織華を探してんだろ?分かりやすくキョロキョロするなよ」
俺そんなにキョロキョロしてたか?
「してねーよ、んなこと。そんなことよりお前はどうなんだよ、さっきのポーズの効果はあったのか?」
「それがあったのだよ、歩くん」
と言って、蓮はしっかりラッピングされた長方形の箱を見せる。
「あーそうか、最初っから自分で用意してたんだろ」
「いくらなんでもそんな恥ずかしいマネはしない」
「そうだよな。じゃあアレだ、その中身はコンパスの箱だな?俺は騙されねーぞ」
「なに言ってんだよ、正真正銘の本物だって。お前オレをどんな風に見てんだ?」
「・・・・」
マジ?
「マジ」
「世も末だな」
明日は絶対大雪に決まっている。賭けてもいい。
「負けを認めろ」
「・・・クッ」
蓮が勝ち誇った顔で笑っている。その横に気配もなく絵実が現れた。
「うわっ」
気配がないのはいつもどうり、蓮はこれが少し苦手なようだが。
「よっ、絵実おはよう」
「おはよう」
蓮をまったく無視し、相変わらずの無表情でゆっくりと手を俺の前に差し出した、そこには綺麗にラッピングされた箱があった。
「これ、あげる」
「俺に?」
「うん」
「サンキュ」
「・・・」
絵実は少し黙ってから行ってしまった。少し照れていた感じがするのは俺の気のせいか・・・?
「ははは、俺のおかげだな」
「なんでだっつの」
「じゃお前もしっかり働けよ」
そういい残して、蓮は颯爽と去っていった。
もうそろそろHRの時間だったが織華の姿はまだなかった。