オマケ付き参考書〜恋愛上手は国語を制す?〜3-1
参考書から出てきたキャサリンと高校生の森本一。
さっそく始まったレッスンで森本は入試合格を果たせるのか?
意中のあの娘のハートも掴めるのか?
今夜も二人のレッスンが始まろうとしていた。
帰宅途中の森本の視界に我が家が見えてきた。
その時森本は何かを思い出した。
「おっといけない。」
足の向かう先を反転させて一路近所のコンビニへと向かわせた。
何か買い物でもあるのだろうか?
そそくさと店内で物色して森本は5分後にビニール袋を提げて出てきた。
その中身は、昨日キャサリンが美味しそうに頬張っていたおせんべいと緑茶のティーパックである。
1日15分しか外の世界に出ることのできないキャサリンとのレッスンの時間を長くする為に色々と考えているみたいだ。
ようやく家に着いた。
お風呂に入り、食事も済ませて机の上には勉強準備も万全に済ませて森本は一息ついた。
なぜか緊張するなぁ。
DVDを開ける指が震えてしまう。
昨日は全く知らなかったから驚いたけど、今夜はどうやって出迎えようか。
思案しながらセットする。
「ハァイ!元気してたぁ?」
とソファに寝そべるキャサリンが映し出された。
相変わらずの露出の高い服装。
今日は黒いキャミソール姿だ。
「準備オッケーかしら?今から行くわネ〜。」
とまたテレビの縁をに手を伸ばしての登場。
もっとスムーズに登場できないのかと思うくらいな一苦労だ。
身体をくねらせながらのキャサリンもまた色っぽかった。
「お待たせ〜。今日もがんばろうネ!」
とブイサイン。
思わず森本も返してしまったブイサイン。
照れながらさっきのビニール袋をキャサリンに差し出した。
「コレなぁに?」
と笑顔で中身をチェック。
キャサリンは目を輝かせながら包装を破る。
「ありがとう。優しいのネ!!」
と大満足。
さっそくおせんべいを頬張りながらモシャモシャしている。
森本はポットからお湯を注いで熱い緑茶を差し出した。
「準備いいじゃない!」
とご満悦な様子。
「さぁ始めるわヨ!テキストの2ページめを見て。」
ページを開くとそこには
『2・キーワードを掴みとれ!』
と太字で大きく書かれている。
まったくなんて見やすいテキストなんだろう。
ページにはそれしか書かれていないから。
「キミはどれだけ相手の話からそのキーワードを掴んでいるかしら?
何気ない会話の中でも連呼されている言葉があるはずよ。
それをちゃんと理解するのが大切なんだから。
作者が各段落で言いたいことをしっかり掴みましょうネ。
余白に書き留めておくとわかりやすいわヨ!」
と言う。
キーワードって言ったって相手と話す機会があまりないんですけど…