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オマケ付き参考書〜恋愛上手は国語を制す?
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オマケ付き参考書〜恋愛上手は国語を制す?〜1-1

「はぁ…」
ため息を吐きながらの後ろ姿がなにか淋しさを感じられる高校生が街をとぼとぼと歩いている。 
彼の名は森本一。 
今日は予備校の模試の結果を受け取って帰路に着くところだった。 
結果は第一志望E判定。
惨敗であった。 

空き缶を蹴とばしながら
「どうしてうまくいかないんだろう…」
一人呟く。 
どうやら模試の結果以外にも何やら悩みがあるようである。 

森本一。 
高校二年生。 
冴えない風貌通り、今まで彼女がいたことはない。

行きたい大学も夢もなく、ただ仮初めの志望大学へ向けてがんばっているポーズをとりながら毎日を過ごしていた。 

そんな彼にも転機が…

彼は恋をした。 

予備校の同じクラスの高嶋。 
大人びた秀才肌の面倒見もよく、周りからの人気がある生徒。 

ある日の予備校で、彼は準備悪くテキストを忘れてきてしまった。 
「あれ…おかしぃなぁ…」
鞄をあさる取り乱した森本にテキストを見せてくれたのが、他ならぬ高嶋だった。 

雷が走った。 

異性に優しくされるのも初めての事だったのが、憧れを抱いていた高嶋のその優しさが森本のハートに火をつけてしまったのだった。 
しかし口下手で女性経験のない森本にはその先のアプローチ方法が全くわからなかった。 

夕暮れの街を物思いにふける森本の前に一軒の老舗風の見慣れぬ店が現れた。 
「こんなお店あったっけなぁ?」 
首をかしげる森本。 
目立たない看板には 
「ほんだら堂」
と書かれていた。

興味本位で店内へ入ってみた。 
小汚く商品が陳列されていた。 

書籍もいくつか置いてあった。 

それらに視線を向けると一冊、森本の心に引っ掛かる物があった。 
その本は大きめのケースに入れられていて中身が見れなかった。 
表紙についている帯には 
「恋が叶って国語もできちゃう!!」
とピンクの可愛らしい字体で書かれていた。

「これって参考書?」

とタイトルに目をやると 
「センター国語のツボ〜恋ヂカラもUpしちゃうらしい〜」

とあった。 

「なんだこりゃ?」
と中身が気になりだした。
定価を見ると、なんと!

限定特別価格150円。
 
激安である。 
胡散臭いなぁと思いながらも本を握りしめ、レジへ。 
初老の男性が奥から出てきてレジを打ってくれた。


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