しにがみハート#6-2
〇〇〇
学校が終わり、下校時間。
「孝紀さーん♪携帯買いに行きましょー♪」
「よし、行くか!!」
そして俺達は、近くの電機店に繰り出した。
「携帯って…どんなのが良いですかね」
「ん?絢芽の好みで良いんだよ?好きなので」
「じゃあ…ドクロ…」
「それは例外だ」
目の前には無数の携帯電話。
スライド式、折りたたみ式、色々なものがある。最新機種はさすがに値が張るが、比較的に2、3ヵ月前のは安い。
「う〜ん…。迷います…」
「じゃ、これはどうだ?俺と同じだし」
俺と同じ機種の、色違いのピンク色を渡す。これなら、分からなくても難無く教えられるし、絢芽も分かりやすいだろうし。
「よよ?良いですねー。これにします」
「お揃いだからな!」
「じゃ、買ってきます〜」
〇〇〇
帰り道。
「へへへー♪」
嬉しそうに携帯をパカパカと開け閉めする絢芽。まるでお菓子を買って貰ったこどもみたいな…。とにかく無邪気にはしゃいでいる。
その時、俺の携帯が着信を告げる。
ディスプレイには知らない番号。誰だ?
『もしもし?』
『へへへー♪』
『絢芽かよ!!』
『電話できましたー』
嬉しそうに携帯をポケットにしまい込むと、満面の笑みで俺に近寄って来た。
「でもやっぱり、生の声が一番でしょう!!」
「そうだな♪」
「さすが現代科学の結晶…。こんなに小さいのに…折りたためるのに…」
俺達としては当たり前のように思っていることを、すごいすごいと感心して喜ぶ絢芽。
なんだろうな?見てるこっちまで良い気分になってくる。
「お?もう9時ですか…。じゃ、孝紀さんまた明日!」
「おぅ。また明日な」
いつの間にか自宅前に到着し、今日のところは別れた。
家に着き、ベッドに潜り込むと、携帯に一通のメールが。
【孝紀さんへ
今日はありがとうございました♪
これで逸れても大丈夫ですね。迷子になっても大丈夫ですよね!!
浮気しちゃあダメですよ?私、孝紀さん大好きですから!!
じゃあ、おやすみなさいo(^-^)o】
バカ、これじゃあ手紙じゃん…。
俺は苦笑いをしながらカチカチとメールを返す。
いくらメールでも「大好き」なんて恥ずかしくてムリなんだけどな…。どうしようか、初メールだし。
出来た文を送信し、携帯を閉じる。
絢芽は今頃、顔真っ赤だろうな。俺からのLoveメールだしな。…明日が楽しみだ。
ん?メールの内容?それはもちろん、秘密だ!