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「雨のち虹」第1話「アンラッキー」-6

「わかりましたよ」
「すまない・・家庭も
仕事も両立すると決めたのに、俺はすでにどちらも失格かもな・・ ただ、せめてあがいてみたいだけなのかもしれん」
すると、部下の人は 今度は妙にくだけた感じに言った。
「いいんですよ、先輩は昔からそうですからだからこそ、俺らも
ここまでついてきた訳ですし・・」
こんな会話をきいていた当の私は単純に
嬉しかった、
だけど反面仕事の邪魔をしているようで、
申し訳ない気がする。そんな事を考えている間に、もうお父さん
は電話を切っていた。
私は部屋に入り、
気にかけている事を
ぶつけてみた、
「お父さん・・」
「うおっすずめっ!?」
そんなにおどろかなくても・・
「今日仕事だったんだよね・・」
「きいてたのか・・」
お父さんの顔にしまったと書いてある・・
わかりやすいなぁ
「・・私の事なら気にしなくてもいいよ?確かに、一人は・・ いやだけど、仕事の忙しさがわからない程子供でもないし・・」
これは・・半ば本心じゃなかった ただ一種の後ろめたさから、自然とそう口走ってしまっていた
「すずめはそんなの気にしなくていいんだよ、まだまだ子供なんだし」
それはある意味期待した返答だったが、
やはり最後の一言は 本能が聞き逃さない・・ 「その発言は素直に喜べないなぁ」
冷ややかな目でお父さんをみると、
「うっすまん!つい
うっかりしていた、 だがすずめも子供扱いがいやなら、もうちょっと背を伸ばした方が・・」
いい終わる前に鋭く
睨みつけた、
視線の先では、お父さんが戦慄している
「な、なんだ?」
「私はもう15歳・・
背が低いつもりもないし、低いとしても、
伸ばせるなら伸ばしてる・・」
実際子供扱いは嫌いだ、子供ではあるのだが世の中のことはある程度理解しているつもりだから・・
「それはつまり、低いって自覚している証拠では・・いや、なんでもありません。」
これ以上は墓穴をほるだけと理解したのか・・ それ以上は何もいわなかった
「はぁ・・もういいけど・・」
私も馬鹿らしくなってあっさり許した、お父さんは悪気があるわけじゃないし、
これ以上やっても、おそらく墓穴をほり続けるだけだろうから・・

私はすっかり横にそれてしまった話を元に、戻した
「はぁ・・私は真面目に言ってるのに・・でも
本当に無理してまで私に合わせる必要はないよ・・?」
するとお父さんは
真面目な顔をして
「俺はこのままじゃ
すずめがどこかに行ってしまう気がして怖かった、ただそれだけさ・・」
悲しそうにそういった
ちなみにうちには
お母さんはいない、私が五歳の時に亡くなってしまった。

あまり記憶にないが、とても綺麗な人だった父さんは私がだんだん容姿も言動も似てきたといっている   
綺麗な人に似ているといわれるのは正直嬉しかったが病気で亡くなった人にあらゆる面で似てきたとなると、
少々不安にも感じた


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