オマケ付き参考書〜恋愛上手は国語を制す?〜2-2
そして
「まずは明日からもっと接点を持つことネ。
どんな小さな事でもいいワ。キミに関心を持ってもらうことがスタートよ。」
僕はルーズリーフにメモした。
1・『イメージ力』
でもはっきり言って国語の勉強になってませんよ?とツッコミたかったが、立場が悪くなる気がしたのでグッと堪えた。
さっきから気になるのは、キャサリンは時計を気にしている。
なにかあるのかな?
「あらもう時間だわ。
あたし1日15分しか外の世界に出れないのヨ。
続きはまた明日ネ!ちゃんとお茶とおせんべい用意しときなさいヨ〜!」
と言い残すとキャサリンはテレビの中へ吸い込まれて行った。
1日15分かぁ。
としみじみ考えた。
とにかく僕とキャサリンのレッスンは始まったばかりだ。
キャサリンの言うようにもっとうまくいくイメージをできるようになろう!と僕は胸に誓った。
胸って言ったらキャサリンのスゴかったなぁ。
とさっきまでの光景を思い出しながら僕は眠りについた。
明日は予備校で講義が午前中からある。
少しでも高島に近付けるようにがんばらなくては!
僕の中の何かが変わろうとしていた。
次の日予備校に行くともう高島は席に着いていて授業の準備をしていた。
何かを話し掛けようとしたが、言葉が詰まって結局何も話せなかった。
空回りな1日。
これじゃキャサリンに怒られてしまいそうだ。
講義が終わってからも話し掛けるチャンスは沢山あったものの、話せず仕舞いで僕は家路についた。
空気がピンと張り詰めて指先がかじかんだ。
今日もキャサリンのレッスンを受けるのが楽しみだ。
気が付くと寒さも忘れて僕は早足になっていた。
もうすぐ家が見えてくる。