オマケ付き参考書〜恋愛上手は国語を制す?〜1-3
これは夢なんだ。
森本はこの状況に現実逃避するしかすべがなかった。
キャサリンは正座して
「ごめんネ。ビックリさせちゃって。」
とあっけらかんとしている。
これはどういう事なんですか?もう僕は何が何だが…
と頭を押さえながら狼狽した。
テレビの中から人が出てきたのだから、驚かない方がおかしい。
「よっこらしょ!」
そんな森本に構わずキャサリンは腰を降ろした。
「キミね〜!そんな冴えない顔してると女の子にモテないぞ!」
と指を銃のように折り曲げ、
バーン!と射つ真似をした。
キャサリンは頭をかきながら続ける。
「だいたいいつも同じリアクションするのよネ。」
と笑顔を浮かべた。
「今日からキミの受験勉強+αの面倒みてアゲル。」
と艶めかしい香りを漂わせながら自信有りげな笑み。
「あっあの…状況がうまく飲み込めないんですけど…」
困惑の渦中の森本はキャサリンと目も合わせられずにいた。
「そんなヤボなこといつまでも言ってないの!さぁ始めるわよ。」
ときれいに整頓された机の上からルーズリーフを一枚取り、その横に冊子を広げた。
「国語を強くなるには恋ヂカラが必要ヨ!」
キャサリンと森本の特訓がこれから始まろうとしている。
果たして森本は入試に合格できるのか?
高嶋のハートを掴む事までできるのか?
それはこの物語の結末までわからない。