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sweet confectionery
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記念日(11月11日Ver)-1

世の中にはたくさんの記念日があります。
皆さんは、どのような記念日をご存知でしょうか?
例えばそう・・・11月11日は?


季節外れのバレンタインから、化学教師の室井 真澄はほぼ毎日のように調理室に放課後顔を出すようになった。
今日も同様に放課後室井は調理室に顔を出したが、私、戸田 千春がテストの採点をしていた為か手持ちぶたさな様子でこちらをじっと見ていた。
なんだか、恥ずかしいんですけど・・・。


「戸田先生。それ、もらえませんか?」
ふいに、採点をしつつ口に運んでいる私のチョコ菓子を指差して言う。
「え?これですか?」
突然の申し出に戸惑う。
確か甘いモノ苦手って言っていた気が・・・。


    『すみません。僕、嘘吐いてました。』
   『本当は、甘いもの得意じゃないんです。』
脳裏にあの時の言葉が蘇る。


「そうです。」
そんな私の思いとは裏腹に、にっこりと切れ長の瞳を細め頷く。
「・・・珍しいですね、甘いモノ好きじゃなかったですよね?」
そんな柔らかい表情に少しどきり、としながら首を傾げた。

「ええ・・・。あの、甘いモノ好きじゃないともらえないのでしょうか?」
ちょっぴり困ったような顔。
嗜好が変わったのだろうか?それとも好き嫌いを無くそうと努力中とか・・・?
「いいえ、そんなことはないですよ?・・・はい、どうぞ。」
慌てて箱の中から新しい物を取り出し、室井に手渡そうとする。

しかし
「・・・それじゃないんですが。」
更に困ったように苦笑をしている。
それじゃない?
箱の中にいろいろな種類のものがあると思っているのだろうか?
「え?箱の中は全部同じ種類ですよ?」
初めて食べるのかのような、よくわからない質問に箱の中身を見せながら答えた。
「・・・私が欲しいのは、箱の中のじゃないんですけど?」
にっこりと悪魔のような天使のような微笑みを浮かべる。

「・・・はい?」
訳が分からずきょとん、と首を傾げた。
「こっちです。」
言葉の真意を探ろうと考えている間に室井の顔がゆっくりと近づく。


柔らかいモノが唇を掠めた。
「・・・・・・っ」
ぱくり、と自分の口からはみ出ていた部分を食べ、まるで何事もなかったかのように笑う。
「ご馳走様でした。」

「い・・・今のは・・・っ。」
キス・・・ですか?純粋に食べたかっただけですかっ?
「甘くて美味しいですね・・・。」
満足そうに頷いている。
いや、あなたが食べたトコはあまり甘い部分ありませんから。
「ちょっ、ちょっと?」
どう問い詰めていいのかわからず一人教壇上でわたわたしていると

「ああ、なんか○ッキー好きになれそうです。」
室井は満面の笑みを浮かべていた。


11月11日は○ッキー&プ○ッツの日。某お菓子メーカーが自社の人気商品○ッキーとプ○ッツのPRにと制定した日。
その形が数字の1と似ていることと、秋の行楽シーズンに大いにこの商品を楽しく食べてもらおうとこの日になりました。

〜Fin〜


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