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ピアノ
【同性愛♂ 官能小説】

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ピアノ-2

…ドキッとした。
そこには言葉とは裏腹に、先生の照れたような笑顔があった。

そのギャップが何だか可笑しくって、たまらず笑ってしまう。
「ぷっ…くっく…可愛いね。先生」

「殺すぞ。25の男に向かって…」

「ねぇ、もっと聴きたい。弾いてよ」

「ダメだ。そろそろ戻らないと」

時計を見ながら先生が言った。

「ケチ。じゃ明日は?」

「さぁ?来たいなら来れば」

「決まり。また明日来るよ。じゃあね先生」

手を振って音楽室を出た。
家に帰りながらさっきの事を思い出す。さっきの顔!なんか得した気分だな。いつもの仏頂面が崩れたんだ。

俺はまるで、パズルを解いた子供みたいな気分になっていた。

早く明日になんないかな。





翌朝、まだ眠気が覚めない頭でボーッ…と靴を履き変えていると、突然ラリアットをくらった。

「おっはよー大森君。昨日は何でカラオケ来なかったのかなぁ?えぇおい?」

こいつの名前は沢口京吾。幼稚園からずっと一緒の親友?なのかな。

「悪ぃ、京吾。ちょっと諸事情で…ッて痛っ」
「俺が女だったら、お前みたいなカレシは嫌だ!」
「分かっ…たから締めんな!」
京吾のプロレス好きには正直参る。
「ドタキャンしといてゴメンの一言もないわけ?」
「ごめん。ホント悪かった。な?京吾落ち着いて?」
「うん…今度はちゃんと来いよ?泉来ないとつまんねぇよ」
「絶対行くよ。だからさ…早く教室入んないと、俺今日も遅刻よ?」
―キーンコーンカーンコーン―…

無情にも始業の鐘が鳴り響く。


諸行無常の響きあり―…って使い方違うか。
所詮国語2の俺だし。

急いで教室に入ると待ち受けてたのは、禿げかけた頭に青筋を立てた担任だった。

「先生今日は寝坊じゃありませぇん」
と言い訳してみたが無駄な努力だろう。

「もういい…席につけ。放課後、職員室に来い」
あーあ…説教かな…。
「失礼しまーす」
だるい気持ちになりながら職員室に入り、担任の所へ行くと、
「おっ来たな。じゃあ高橋先生、後はお願いします」
と言って担任の野中は出て行ってしまった。


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