fantasy ability・4‐崩れだす日常‐-8
放課後、授業も何事も無く終わり、帰りの準備中に‥仁が話し掛けてきた。
「‥‥答えは?」
「‥‥解った。いいぜ。‥‥ただし、守って貰うからな。」
「そのぐらいはいいだろう。じゃあ、行くか。」
「ああ。」
仁と供に、教室を出て玄関に行き、グランドに出た。‥‥校門の所に人影があった。もちろん、光先輩だ。
「何で、“彼”が居るの?‥‥皇希君??」
顔が笑っているが、逆に恐い。と、そんな時に仁が喋った。
「俺が無理に頼んだ。梛さんが、余計な事を言わないか見張らせて貰う為に。」
「‥‥‥だからといって、着いてこないで。」
‥‥完全に怒っている。仁、煽るなよ。
「‥‥解った。君の父親の事を一つだけ、話そう。これで、どうする?」
「‥‥くっ!解ったわよ!いいわ!」
光先輩ってもしかしたら‥‥‥
「‥‥皇希君、殺すわよ?」
「すいません。俺が悪かったです。」
俺って、こんな事が多いのは、何故?
「「‥‥運命。」」
‥‥今、身を持って知りました。
と、その時に誠慈さんの車が、やってきた。
〈キキー‥‥バタン!〉
「遅いから、来てし‥‥‥」
「「??」」
俺は光先輩と顔が向きあった。誠慈さんが口を開いた。
「‥‥何故?この方がここに居る?」
「流石!長男だな。解った、俺の事。ハハハ。」
「‥嫌でも忘れません。あの時の事は。」
誠慈さんって敬語使えるんだ。
「‥‥お前、言ってみろ!殺す!」
「悪いが、俺が皇を守るので、やめとけば?アハハ。」
「‥‥やめときます。」
何なんだ?一体?
「ちっ!まぁいい。‥‥まさか、この方が着いてこないよな?」
「そのつもりだが、悪いか?」
「いえ、滅相も御座いません。」
「アハハハ。やっぱ、面白いな、誠慈は。ハハハ。‥腹が痛い。ハハハ。」
それはそうだろう。笑ってばっかだし。一体、何があったんだろう?この後にわかりそうだ。
「アハハハ。‥ハハハ。‥‥‥‥ふぅ。さて、皇の事もあるし、そろそろ行くか?」
「あ、ああ。」
車に四人が乗り込む。前に、誠慈さんと光先輩。後に、俺と、仁‥‥いや、織音が座った。
「お前はバカか!この方に様を付けろ!」
「‥‥いや、いいのよ。だって、私が許したし、それに‥‥‥って、あぶないあぶない。話すどころだったわ。」
‥‥‥何か、凄い事になっているが、今は気にしないでおこう。
朝とは違い、極めて普通に走ったので、遅く30分後に着いた。
‥‥‥朝は、酷かった。‥方輪走行、ジグザグ走行、更に、ドリフトがあり、空中にも飛んで、狭い道でアクセルを全快して、トラックの下を通って、最後に壁走り。‥‥‥よく間に合って、かつ、事故に成らなかった事だ。ある意味、これが“奇跡?”なんだろうと、思う。
‥家の中から、優がやってきた。