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『GAME』〜究極の快感の行き着く場所は〜
【同性愛♂ 官能小説】

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『GAME』〜究極の快感の行き着く場所は〜-3

「駿哉。この『ゲーム』、おまえの負けだな」
「あぁ、そうだな。だけど、俺の負けは最初から決まってた。『ゲーム』なんて…有り得なかったんだ。だって俺は、最初から裕樹のすべてを奪うことが目的だったんだから」
 『待てよ、じゃあ、おまえの勝ちじゃないか?』そう正直に白状しそうになって言葉を飲んだ。
 最初から俺のすべてを奪う事がこの『ゲーム』の目的だったなら、今、こうして、駿哉の嫉妬に満ちた感情に100%の優越感を感じて、心の底から、『俺、駿哉のことが好きなんだ』なんて思っている俺は、身も心の駿哉に奪われた、完全な敗北者だ。
「駿哉…『ゲーム』しようよ」
「え?」
「新しく始めるんだよ。俺達が行き着くところがどこのなか…見たいと思わないか?」
俺の言葉に「裕樹…」とかすれて消えてしまいそうな声で名前を呼んだ駿哉。
 首筋に顔を埋めて、いつものように首の付け根の辺りに吸い付く。
 ゾクッと痺れが全身を駆け抜けて、「あっ…っ」と声を上げてしまう。
 シャツのボタンを外しながらヒラヒラと落ちていく駿哉の指が、既に反応を示している体の中心を捕らえると、ガクリと足から崩れ落ちてしまいそうになる。
 その時、咄嗟に抱きついた駿哉の身体から、記憶にない仄かなフローラル系の石鹸の匂いがした。
 その甘い香りに、今朝、俺の部屋から出て行った駿哉が、彼女と何をしたのかということを、嫌というほど見せ付けられた気がした。
 その時駿哉は、どんな気持ちで彼女を抱いたんだろう…
 沸々と湧き出す、自分の中の醜い感情…
 駿哉…俺、おまえにこんな辛い思いをさせてしまったんだな。
「駿哉…俺…」
 言葉には現せない思いに、黙り込んでしまった俺を、駿哉が優しく抱き寄せる。
『犯(や)れよ…』俺は、駿哉の耳元でそう囁き誘惑する。
 あっという間にひっくり返される体。背中に覆い被さる駿哉の暖かさを感じながら、俺はいつものように、目を閉じ、ロッカーについている両腕に力をこめる。
 その器官は、朝方まで弄ばれていたせいか。思ったよりあっさりと駿哉を受け入れる。
 ホッとしたのも束の間。
「わぁっ…あっ…っ」
 背後からいきなり激しく突き上げるその律動に、思わず叫んだ。
 授業中で静まりかえった廊下。授業中とはいえ、隣の職員室には数人の先生が残っているはず。
 俺は、必死で声を洩らさまいと、手のひらで口を押さえる。
 しかし、その手はすぐに引き剥がされ、ねじる様にして、背中に回されてしまう。
「声、聞かせろよ。俺、裕樹の喘ぎ声好きなんだよ」
「い…やだ…誰かに聞かれたらどうするんだよ」
「大丈夫だよ。鍵かけたから」
「そういう問題じゃ…あっ…だめだっ…て…んあっ……駿哉…あぁ…っ」
激しく突き上げられ、奥のほうで触れ、快感の腺を、直接刺激される頃には、恥ずかしいなんて感情は忘れ去られ、ただ、追い込まれていく快感に身を委ねる…
耳元に叩きつけられる熱い吐息と共に吐き出される『愛してる』の言葉を聞きながら……
―GAME OVER―

 終業のベルが鳴り、ロッカールームの外が騒がしくなってきた。
「鍵が締まってるの?誰か中にいるのかなぁ〜」
「おかしいなぁ」
 俺は、先生達のざわめく声を聞きながら、床に座りロッカーにもたれかかったまま、隣で俺の肩を枕に、座ったまま寝息をたてている駿哉を覗き込む。
 駿哉が起きたら、まず、キスをしよう。
 俺達の初めてのキス。
 それは、これから始まる新しい『ゲーム』のスタートの合図。
 だから、先生。駿哉が起きるまでもう少し、そこで悩んでいてください。
 クスッと俺が笑うと、駿哉が目を開ける。
 俺は、そっとロッカーから体を離して、駿哉の顎を持ち上げて、顔を近づけた。
 すべての始まりのために…―さぁ!
―READY GO!!―
題…『GAME』


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