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『GAME』〜究極の快感の行き着く場所は〜
【同性愛♂ 官能小説】

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『GAME』〜究極の快感の行き着く場所は〜-1

目を閉じて、唇を噛み締め、拳を握り締める…
 そう…ここさえ耐えてしまえば後は、俺の上で、整った顔に薄笑いを浮かべているコイツより、何倍もの快感を得る事がで出来るのだ。
 だけど、やっぱり……
 出産の痛みは、「例えるなら、ケツの穴からスイカが出てくる痛さ」と聞いた事があるが、もし、それが事実なら、俺が今、耐えようとしている痛みがそうだ。
「んっ…っ…ぁ…」
 苦痛に、噛んだ唇の端から、漏れる甘い吐息。
「いいよなぁ、裕樹のその声」
 完全に俺の中に侵入した、駿哉が肩に顔を埋めて耳を軽く噛んでそう囁く。
「ば、ばか。マジで痛いんだからな」
「なのに、裕樹。その痛みに耐えてでも、おまえが得たいものってなんだ?」
「…」
「キモチイイから?」
「…なんで、そんなこと聞くんだ?『これは、ゲームだ』って言ったのはおまえだろう?」
「……だな」
少し躊躇い、低く呟いた駿哉の声と同時に、深く突き上げられ、抉られ、荒々しく何度も洞壁を擦られる。
「あっ…っ…ちょっと待てよ…どうしたんだよ!」
今日の駿哉は、いつもと違った。優しさの欠片もなく、ただ、欲望のままに攻め立てる。
最初こそ、そんな駿哉に不安を感じていた俺だったが、その先にある一点を集中的に刺激されると、頭の中は空っぽになって、自然に駿哉の動きだけに神経を研ぎ澄ます。
「あっ…あぁ…しゅんや…もぅダメだ…―」
 咄嗟にしがみついた肩越しに感じる、彼の荒い息遣いと、首筋の仄かなシャンプーの匂いの心地よさに酔いながら、駿哉の手に握り締められていた、下肢の強張りが一気に解き放たれる…そしてまた、同じように解き放たれた駿哉の欲望が、自分の身体の中に沈んでいくのを不思議な気持ちで受け止めていた……

「裕樹。いつまでそうやってヘコんでるんだ?早く着替えないと来るぞ、彼女」
 駿哉と寝た日の朝はいつもこうだ。
半身に残る、昨晩の『産みの苦しみ』の痛みに、人の道を踏み外したのではないかと、後悔の念に苛まれて、布団から出られずにいる。
そんな俺を、ストライプのシャツに手を通しながら、足でグリグリとかき回す駿哉。
 布団から顔だけ出した俺は、そんな駿哉を見上げて睨みつける。

『なぁ、裕樹。これは、ゲームだ。』
 あの日、ベッドの上で目を開けると、目の前に駿哉の顔があった。
 お互いの彼女が、隣で寝ている…
 そんなスリル満点のシチュエーションと、「酔った勢い」と、「男相手にどこまで出来るのか」という、ほんの少しの好奇心…
 究極の快感ってなんだろう?
ただ、それだけだった…その時は…
 それが、少しずつ、彼女と過ごす時間より、駿哉と居る時間のほうが長くなり…
と、言うことは勿論、自然と彼女より駿哉とのエッチの数のほうが超過していくわけで……
 しかも、俺の彼女も、駿哉の彼女も、「駿哉と裕樹、いつも一緒に居たら『浮気』する暇がないから安心だね」と喜んでいるんだから、尚更後ろめたい。
 駿哉。おまえは、この状態、どう思ってるんだ?
俺達の『ゲーム』は一体どこまで続くのだろう。
ベットに腰掛け、靴下を履く駿哉の背中を睨んで問い掛ける。


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