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ぼくの学校を出るヒト
【二次創作 その他小説】

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ぼくの学校を出るヒト V-2

「……君達の力。……不思議な力だ《無属》には有り得ない力……」
「EMP能力の事ですか?」
青年はうなずいた。
「わたくしはあまり詳しくは語れないですが、六歳ぐらいから二十歳にかけての極一部の人間のみに宿る能力の事ですわ。わたくしや班長のような戦闘向きの能力はもとより、人の心を見通したり、時間を超越したり。様々な能力がありますわね」
「……その力は何故君達に宿ったんだい?」
「知りませんわ、こちらが聞きたいくらいです。突然宿り、突然失う、それがEMP能力なのですわ」
「……んーん。なるほど、……謎は謎のまま、僕達は謎に支配され生きているんだ。謎を制してしまうと、……楽しみが減ってしまうな」
「そうですわね」


〜インスペクタ〜
もう十分だ、人形はよく働いた。


〜インターセプタ〜
認める。もう頃合だ。

〜アスタリスク〜
介入する
実行

終了


青年は立ち上がり今だ戦闘中の宮野と香炉を見た。
「……香炉、そろそろ事が始まる。……帰ろう」
「そうですわね。右目戻りなさい」
香炉の命令に従う。黒の球体となって香炉の手に戻った。
「もう帰るのかい? わたしはもう少し相手をして欲しかったのだが、特にそこの顔面蒼白男にね」
宮野はにたぁと笑いながら青年をにらんだ。
「……僕は遠慮しておこう。事が始まる、そちらの方が……。そういえば事というのは何の事だろうね? ……思い出せないな……」
「先生、時間が迫っているのです。急ぎましょう」
突如、思わずよろめいてしまうほどの突風が吹いた。
風がやんだ時には今まで居たはずの侵入者二人組は姿を消していた。
「班長」
「なんだね、我が愛しのまいこ君」
「気持ち悪い事は言わないでください!」
まいこの蹴りが容赦なく宮野のももに打ち込まれる。宮野はそんなことはどうでもいいのか、頬をポリポリ掻いている。
気のすむまで蹴ったまいこは息を切らしながら言った。
「はぁはぁ、先ほどの方々は何をなさりたかったのでしょう? 別に侵入する事が目的と言う訳ではなかったようですが……」
「そうだな、彼らが何をしに来たなんて私には分からん。正直な所どうでもいい」
宮野は身を翻し、学園の方を見やった。
「先ほどの奴等の負の気が安定しつつあった学園内の力場を崩していったようだな。 見て見ろまいこ君、我々の遊び相手が玄関のチャイムを鳴らしているぞ」
宮野は憎たらしい笑みをまいこに向けた。
多数の想念体が学園に現れたのをまいこは感じた。
「これはこれは、またたくさんおいでになられました。 では班長、わたくしは部屋に戻って入浴を楽しみますゆえ、班長は御一人でお友達とチャンバラゴッコでもしていてください」
「何を言うまいこ君。学園の生徒達が危険なのだ、我々が救わずして誰が救うのだね?」
宮野は嫌がるまいこを小脇に抱えて颯爽と校舎の方へと走って行った。


〜アスタリスク〜
新規介入者達の離脱を確認


「彼ですか?」
「……んー、そうだと思うよ。 ところで、君は誰だったかな?」
「先生の弟子の香炉です。こっちは友達のマイコプラズマですわ」
「よろしく香炉、よろしくマイコプラズマ。 また忘れると思うから三日後にまた自己紹介してくれるかい?」
「ええ、先生が覚えてくださるまで」
とある家を見下ろすように立っていた二つの影はよろめき 消えた。
クェェー、と獣の鳴く声だけが谺した。


〜完〜


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