ふたり【お泊まり・結】〜二回目の……!?〜-1
……雪か……
……思い出すぜ。………この家に来た日のことを。
――ガバッ!!
「・・・・・!」
あまりの寒さに目を覚ました遊輝。
口が開かない程に体が冷えきっている。
…掛け布団はエリカが巻きとっていた。…なんとも幸せそうな寝顔だ。
隣のベッドに目をやるとあかねも布団をグルグル巻きにしている。
……なんなんだ、この姉妹は!?
俺を殺す気か!?
入る余地が無ぇぞ!
遊輝はその場に倒れこんでしまいたい衝動に駆られたが、それは死を意味することだと悟ったのでやめた。
……1階に下りるか。
歯をガタガタいわせて、膝もガクガクさせて、遊輝は階段を下りる。
リビングに入るなり暖房にスイッチを入れる。
そして時計に目を向ける。
……!……雪か。
時計より先に窓に映る雪が見えた。
昨日の暴風からは想像もつかないような穏やかな雪。
2階にいた時は気付かなかった。
今、降り始めたのか、それとも寝ボケて見てなかったか…。
……どうでもいいか。
なんて考えながら俺はコタツに潜り込む。
そこには先客がいた。
コタツから、ちょこんと頭だけ出したユキチ。
いつもよりも柔らかな眼差しを、ガラス戸の向こうで降り続ける雪に。
隣に割り込んできた俺には目もくれずに只々、雪を見続ける。
俺はユキチと同じ体勢になって、ようやく機能しだした口を動かした。
「なぁ、ユキチ。……エリカも…あかねも…いい子だよな。
……もちろん、あや姉もだぞ?」
ユキチは「ニャー」だか「あー」だか分からない鳴き声を出した。
俺は笑って、コタツの温もりとユキチが作った柔らかい雰囲気に身を任せて…また眠りについた。
この時点ではまだ体の異変に気付いていなかった