School days-4
数分後、麻生がバスルームから出てきた。
「おい、準備いい…」
叶実を見、麻生が「あぁ」と近づく。
「これ見てたのか」
「全部高校の時の?」
棚に並ぶ賞状。陸上のものだ。
「ああ、まーな」
「すっごーい…」
叶実は目を細めて賞状を見つめた。麻生が笑う。
「お前だって貰ったろ?秋の新人戦に県民体育祭に…」
叶実は首を振り、麻生を見た。
「インハイで通用する記録じゃない」
「俺だって、お前くらいの時は…」
自然と言葉が止まった。麻生が叶実の方を見たため、視線が合ったのだ。しかもとても近くで。少し動けば簡単にキスできそうなくらい傍に。
先に視線を逸らしたのは叶実だった。すっと麻生から離れる。
「そろそろ帰ります…」
気まずい雰囲気の中、発される言葉。麻生を襲う不安。
また元のように堅い彼女になってしまうのではないか…
話をしてくれなくなるのではないか…
「ちょっと待て…」
麻生が荷物を持つ叶実の腕をとる。
「駅の側だし、一人で行けますから」
「待てって!」
「きゃ…」
行きかけた叶実の腕を引っ張った麻生の力が強かったため、反動で叶実は床に尻餅をつく。
「うわ…っ」
その上に被さる形になる麻生。
「いったぁ…」
「ってぇ…」
二人揃って顔を上げる。再び交差する視線。高鳴る鼓動。行き場のない思い…。
「悪い…」
バツの悪そうな顔で、麻生が叶実から身を離しかけた時だった。
―くん…っ―
ほぼ反射的に叶実が麻生の服を握った。
動きを止める麻生。
どちらも視線を逸らそうとしない。
静かな時間。
ゆっくり、それは始まった。見つめ合う二人、そうなればその先は一つしかないだろう。
重なる唇。何度も、何度も互いを確かめ合う。
名残惜しそうに、唇が離れる。
「慣れてんのな…」
「こんな時に言うの…?」
他愛もない会話。それでも今の気持ちを理解するにはこれで充分だった。
麻生の手がTシャツの上から乳房を撫でる。下着が濡れていたからだろう、ノーブラだ。
―くちゅ…っ―
いらやしい音と共に、乳房の先が熱くなった。麻生が口に含んだのである。
舌で擦り、吸っては甘噛みし、を繰り返す。
「はぁん…先生待って…ベットでしたい…」
麻生が口を離し叶実を抱き上げる。叶実の乳首の位置にあたる服は、麻生の唾液のせいで色が濃くなっていた。
「先生は無いんじゃないの?叶実」
ベットの上で叶実に覆い被さり、麻生が微笑む。始めて呼ばれた名前に、叶実は息が止まりそうになる。
「名前…知らない…」
叶実の言葉に、麻生は溜め息をついた。
「お前は担任の名前も覚えてないのか…しかも俺は陸上の顧問もしてるっていうのに」
「だって…」
言いかけた叶実の唇をキスで塞ぐ。
「瞬時っての」
そう言ってから麻生はTシャツをたくし上げた。
あらわになる叶実の上半身。引き締まった体。だが乳房はいっちょ前に膨らんでいる。
「胸、小さいでしょ…」
麻生はそっと掌で乳房を包む。ピッタリ収まる。
「アスリートのわりには大きいんじゃないか?」
そのまま乳房を揉みしだく。弾力ある肌。
手を離し、とび出している乳首を指先でいじくってやる。硬いそれは形を変えぬまま、指先の愛撫に耐えている。
「…ぁ…」
耐えられなくなったのだろう、叶実が吐息と共に声を漏らした。
「もっと声出して?」
麻生は笑いながらギュッと乳首をつまむ。
「ぁぅっ…っん…」
頬を赤らめ、甘い声を漏らす叶実。この声が、自分の愛撫のせいで漏れているのだと考えると、麻生は言い知れぬ喜びに襲われるのだった。
―ねちゅ…―
「はぁ…ん…」
麻生は、今度は直接乳首を口に含む。硬い乳首を、うまく舌を使って舐めあげる。大切に、ゆっくりと…
「っくぅ…はぁっ…」
叶実が悩ましげな表情を見せる。下半身がムズムズするのだ。体がほてる。熱い。それでも、麻生から離れたくない…
そんな気持ちに思わず叶実は麻生をギュッと抱きしめた。
届く訳がないのだから…