〜グラドルAの受難〜-4
彼らの欲求に応じながらも決してそれから逃げず、むしろ自分の血肉にしプロのモデルとして更なるステージへ昇華してきたルキアではなかったか。
ルキアはゆっくりと目を見開いた。
「申しわけありません。もう大丈夫です」
嶋村が鼻を鳴らした。
「フン気位が高いのは結構だがね……、俺の要求に応えられないなら出て行ってもらえないか」
声の効果は絶大だった。その場にいたスタッフ全員が手を止めた。
凍りついた空気の中、ルキアは理不尽な命令にも従うことを承服させられる。
「さすがにプロ意識が高いな、君は。全く感服するよ」
嶋村の声に嘲りが混ざる。
太腿を滑っていた手が後ろにまわされた。ヒップをごつごつした手の感触が覆った。
ルキアは身構えた。
「…………!!」
ぱんっ。
小気味良い音が鳴り響いた。尻肉が震えている。
その後も同じところを何度も打たれた。痛みよりも情けなさにからだが熱くなった。
「いい肉だ。訴えかけてくるものがあるな」
衣擦れの音がした。気配から嶋村が屈んだのがわかる。
「どうした?一応褒めたつもりなんだがね……」
「あ、ありがとうござい……ゥゥ……」
言い終わらないうちに今度は強くつかまれた。なんとか耐えた。
粘土細工のようにこねられていく。
嶋村の目的は明白だった。
肉のガードをこじあけ、ルキアの秘密部分を探りあてているのだ。
「あ、嫌ァ……」
今度は露骨に下半身に悪戯を仕掛けてきた。
うっすらと生える茂みをなぞり指をからませる。
「ヘアヌードを撮るんだ。ちゃんと具が隠れるかどうか試してみないとな」
臀部に風を感じた。かなり至近距離に嶋村の顔があるようだ。
息が吹きかけられた。
「ひあぅ……」
あやうく跳び上がるところだった。幸か不幸か臀部はがっちりと押さえつけられていた。
手が双臀を押しひろげた。
かろうじて隠れていた秘裂や尻の蕾があらわになる。
恥ずかしさのあまり死にたくなった。
覗き込んだまま、嶋村は怖ろしく静かだ。
おそらく、いま性器と排泄器官を念入りに観察しているのだろう。
股間を虫が這うような感覚もつづいたままだ。
まるでレイプされてるみたい。
「お願い……早く終わって」
撮影開始からさほど時間は経っていない。なのにこの疲れようはどうだ。
ただただ、つらい時間が早く過ぎて欲しいルキアだった。
ルキアは不覚にも濡れてしまった。
決して快感を得ているわけではない。その証拠に顔は苦痛に歪んでいた。
しかしまわりは、特に男はそれを信じてはくれないだろう。
抑えようとすればするほど、それはとめどなくなってきた。
指を陰部に差し入れられたとき、ルキアは思わず立ちすくんだ。
「や、やめっ……こんなところで……」
からだの動揺は嶋村の手を通してすぐに持ち主に伝えられた。閉じようとしたヒザをがっしりとつかまれ、さらに奥を嬲られた。
「ぅぅ……んっ」
「濡れてるじゃないか」
初めは無愛想だった嶋村が饒舌になってきた。
「え、どうなんだ」
「くっ……そ、こんなこ・と……されたら…ウゥッ、だ・だれだって」
「要するに感じてるんだろう」
ルキアの息が上がってきた。
「さすがに手入れが行き届いているな。しかしきみ、薄いんだな」
自分の体液がついた指で繊毛を撫でつけられる。ルキアは息を殺した。
「いい表情だ。女優の顔になってきた」
嶋村の手首が返ると、ルキアは無意識に内股を閉めその手をはさみこんでしまう。
その反動でルキアを震えが襲った。
執拗に陰部をいじられたルキアの中のぬめりが激しくなってきた。腰の部分にも痺れがきている。
最初はやや乱暴だった指のピストンも徐々にルキアのなかで馴染んでいく。ルキアの豊かな分泌液が潤滑の効果を上げていた。
やがてルキア自身にもわかるような派手な音を立て始めた。それに従って責めも一段と厳しさを増す。
「ア……や……やめ……ッハ……ハン……ハッ……」
ルキアは悶絶した。
他の人間に見られたら……。わずかに残る理性が尚更彼女を苦しめる。
撮影スタッフは全部で七〜八人いたはずだ。気がついていないのか。
そんなはずはなかった。思考が正常に作動したのはここまでだった。
つま先から電流が走った。肛門から脳天まで一本の棒で串刺しにされる。意識が白濁した。
度重なる愛撫で包皮から顔を出したク●トリスを指の腹でつままれたのだ。
軽くだがルキアは絶頂を迎えた。
体内に挿入された異物によって両脚が引き千切られ消失する感覚。
嶋村の指を膣内に呑みこんだままでの痙攣は屈辱だった。
あれだけ熱かった体から熱が逃げていき、ゆっくりと視界が開けてくる。
下半身の感覚が戻ってくると、まるで夢から覚めたように意識が安定してきた。
だが身体は鉛のように重く、嶋村にぐったりもたれかかったまま息を弾ませている。
「ハァ……ハァ……ッ……」
「少しは素直になったかね」
荒い息を整える間もなく、もう一本の指で淫裂をなぞられる。
ルキアの全身を再び悪寒がおそった。