きっと、そう−塚田悠哉−-1
俺、塚田悠哉。
高校二年生のごく普通の生徒。
顔−友達から見ると整った顔をしてるらしい。
髪型−坊主嫌いだし、長いと邪魔になるから中途半端な長さ。ペッタリも好きじゃないから無造作にワックスで立ててる。
告白された回数−九回。
いや・・・・・きっと今日の放課後十回になる。
同じクラスの「如月麻衣」に呼び出された。
自意識過剰なわけじゃない。
あんなに顔を真っ赤にして恥ずかしそうに言われたら、誰だってそう思うはずだ。
「す・・・好きなの。」
俺は今体育館裏にいる。行ったらもう如月は待っていた。
「付き合って・・・くれませんか?」
足が震えてる。
そんなに緊張するもんなのか?はっきりいって今まで真剣に告白したことがない。
けど、人を好きになる気持ちはわかるから・・・・・なるべく傷付けないように。
「ありがとう。けど、付き合うことはできない。ごめんな。」
肩が震えてる。俯いて顔は見えないけど、多分泣いてる。
「わかった。ごめんね、急に。」
そう言って如月は走っていった。
俺は、今誰の気持ちにも応える気はない。
『ある一人』を除いては。
『町田癒芽』
二重のぱっちりした目に、小さな顔。
肩下くらいに伸びた少し茶色のストレートの髪は、思わず指を絡ませたくなる。
その容姿も一つの魅力だが、最大の理由−・・・・・
まただ。
すれ違うたびに感じる『視線』
気になって見てみると彼女と目が合う。
逸らせばいいのに、なんでかずっと見てしまう。
恥ずかしさとかは何もなく、ただその目に魅せられる。
彼女のことが頭から離れない。
いつしか「なにか接点はないのか?」と探すようになった。