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clumsy
【学園物 官能小説】

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clumsy-1

「ッ本当お前何様だよ!!」
「はぁ?何様って俺様だ!!」
「この〜ッ自己中俺様野郎!!」
本当にあたしとコイツは合わない…らしい。

―clumsy

「のわ〜!!本ッ当に腹立つわ-!!」
槙(まき)は机をバンバン叩いた。
「喧嘩する程仲がいいって言うけどね」
そんな槙の傍らで、親友のユリが優雅にお弁当を食べている。
「本ッ当にアイツとは合わない。」
顔を合わせたらそこでバトルが勃発。
槙と俺様、もとい泰牙(たいが)は所謂“喧嘩仲間”だ。
「忘れもしない、あのクラス替えの日…」
槙は泰牙とたまたま隣になった。
『宜しく。』
不覚にも泰牙を格好いいなぁなんて思ったのが間違いだった。
ちょっと照れつつ挨拶したら、
『はッ、俺様の隣になれて光栄だな。まぁ精々こき使ってやるよ。』
『…はぃぃ〜?!』
ってなわけだ。
王子様が皇帝に変わった瞬間だった。

「今思い出しても、本当に死ねって思うよ。」
あんの何様俺様泰牙様的な思考、まじムカつく〜と槙はまたバンバン机を叩く。
「はいはい…昼休み終わるよ?」
ユリはお弁当を片付けながら、槙にそういった。
「おっと、いけねぇ。」
槙はあたふたしながら、サンドイッチをかぶりついた。
「でも泰牙くんってカッコいいんだよね〜」
「ん?」
ほらっとユリは顎で廊下を指した。
「あれ絶対告白だね。」
廊下には、泰牙と泰牙にラッピングされた何かを渡す女の子の姿があった。
「あんな俺様野郎、どこがいいんだか。」
表面はいいから仕方ないとは…思う。
「でもさ、本性知ったら誰も好きになんないよ。」
「でも…意地悪されるの槙だけだよね。」
ユリはクスクス笑いながら言った。
「あたし、泰牙くんにそんなん言われた事ないよ。」
「…ッそれは…」
「それは-?」
「俺様はあたしの事下僕としか見てないから。」
「ふ〜ん。槙は?」
「え」
「槙は泰牙くんの事どう思ってんの?」
「どうって…」
「…それが答えだよ。」
ユリはそう言い残して席を立った。
「…意味わかんないよ…」
あたしが泰牙をどう思ってるかなんて、当たり前じゃない。
ただの喧嘩友達。
だと…思う。
だってあたしは…
あたしは…
頭の中をユリの言葉がグルグル駆け巡る。

「おい。」
「わ!!びっくりした〜」
余程集中してたようで、泰牙が背後にいるのに気付かなかった。
「何アホ面してんだよ。」
ドキドキしてるのは、突然話しかけられたから。
「もッもとからこの顔ですが。」
きっと…そう。ただ、それだけ。
「もとからアホ面か。」
「なッ」
相変わらずな泰牙の嫌味に、何だかウマく返せないのは何で?
「なぁ、」
「何よ。」
「お茶くれ。」
「はぁ?」
泰牙が指差したのはあたしの机上のペットボトル。
「買いに行けばいいでしょ?」
「や、口ん中甘すぎて無理。」
まだいいと言ってないのにも関わらず、泰牙はペットボトルに手をかけた。


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