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しにがみハート
【コメディ 恋愛小説】

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しにがみハート#5.5-2

〜〜〜

程なくして俺達はお化け屋敷、『DEATHですラビリンス』に到着した。
「うわ…怖そう…ですね」
「絢芽のほうが怖いって♪」
「ちぇすと!!」
「ぐふうッ!?」
絢芽の本気パンチが鳩尾に決まる。
息が出来ないくらいのだから困るよホント…。
「ほらぁ。入りますよ♪お化け屋敷といえば彼女が彼氏に抱き着いてきゃー♪なんですから!」
「それ彼女が言うことじゃないと思う。うん」

〜〜〜

お化け屋敷の中はとても涼しい。
…いや、寒い。
見渡す限り暗闇で、本格的だ。なんせこの『DEATHですラビリンス』、テレビに出ててレポーターが泣いてたからな。
お?ここでは俺が有利になるかも!?

「ん?なんですかね?この箱」

絢芽が指差す先には、四角い黒い箱。
いや、こういうのは開けたら…怖いモノが出てくるんだよな。

「絢芽、そういうのは開けない…」
「パカッとな〜♪」

開けたぁぁぁ!!?
こいつ、人の話を本当に聞かないで…。

「あれ?なんか箱の中にスイッチが?」

いや、これは押したらダメだ。絶対、そこら辺のドアが開いてお化けがギャーって出てくるんだよ!!

「絢芽、そういうのは押さないほうが…」
「ポチっとな〜♪」

押したぁぁぁ!!?
ダメだ、こいつには何言っても無駄だ…。


「ん?なんか変な音がしますね」
「あぁ?どんな音だ…?」

立ち止まり、耳を澄ます。

ドドドドド…

すると、急いで駆けるような足音。
まさか…まさか?

「孝紀さん後ろ!!」
「は?」

後ろを見ると、多数の鎧武者がこちらに向かって猛ダッシュしていた。

「逃げますよー♪」
「こ、怖ぇーー!!!」


「ウラミハラスベシ…!!」
「ユルスワケニハイカヌ!!」

なにやら奇怪な言葉を発して追い掛けてくる鎧武者達。
廊下は軽く100メートルぐらいあり、そこをひたすら走る。


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