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ぼくの学校を出るヒト
【二次創作 その他小説】

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ぼくの学校を出るヒト U-2

「先生、先生は《無属》の者達にわたくし達のような力が使えると信じられますか?」
「ん、……分からないな」
青白い顔は長い上り坂でさらに色をなくしていた。
「しかも、子供の間だけしか能力は使えないそうですわ。本当に信じられません」
香炉に引きずられ泥だらけになったマイコプラズマは力なくグェ〜と鳴いた。
「実際見てみないとなんとも言えないね、……香炉は何故そうもその《無属》の奴等を気にかけるんだい?」
「それは


〜アスタリスク〜
介入する
実行

終了

……」
「香炉……、どうしたんだい? ……疲れたのなら休むとしよう」
香炉は首を振った。
「心配には及びませんわ」
青年は少し残念そうな顔をした。



まいこと宮野は学園の正門に来ていた。
真琴の言う侵入者はここから山道をくだった場所に居ることは間違いないようで、嫌な雰囲気が立ち込めていた。
「何が迫っていると言うのでしょうか。想念体とは別の嫌な念を感じますわ」
「んーん。確かにこれまで相見えて来たやからとはかなり異質なものだな」
宮野はにたぁと笑った。
まるで楽しんでいるかのように。
「来ますわ」
まいこは身構える、おぞましい負の気が向かってくるのが分かる。
とても友好的とは思えない。
風が吹いた。
土埃に紛れて二つの影が姿を見せた。
細く長い影と小さな影が並んで見えた。
「……香炉、出迎えがいるようだね。……君が伝えたのかい?」
「いいえ」
香炉は首を振った。
「班長、この方々なのですか?」
「まいこ君も感じているだろう。彼らの不可思議な力を」
まいこは侵入者のほうに顔をむけた。
一人は自分と同じぐらいかもう少し下にしか見えない少女。
もう一人は青白い顔をしたひょろ長い男。
だが、内面から染み出るような負の気は隠せてはいない。
とても強大な気だ。
「私はこの学園の保安部班長、宮野だ。君達はここに何しに来たのだ?」
「答える必要が感じられませんわ。何故ならあなた方はすぐに肉の塊と化すのですから」
「まあいい、私も欲求不満でな。ちゅうどいい」
宮野は空中に黒い光で魔方陣をササッと描いた。
そこから、黒い手が数十本。ウネウネと生えた。
「マイコプラズマ、あなたの右目をお借りします」
マイコプラズマはグェェーと抗議の鳴き声をあげたが、抗議は聞かれることなく、マイコプラズマの右目をえぐり黒い球体を取り出した。
球体はみるみるうちに人の形をかたどった。「ふぁー、何だよ寝てたのによ」
「右目、あの白衣の男をやっつけなさい」
右目は宮野を見た。そして、にやりと笑った。

「あなたは戦わないのですか?」
「……ああ。私はここに戦いに来たわけじゃないからね……。それにここに来るのに疲れてしまったよ」
今にも戦闘が始まりそうな隣を尻目に、青年は少し離れたところに腰を降ろした。
「……君もどうだい?」
まいこはすすめられるがままに青年の隣に座った。

〜続く〜


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