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ふたり
【幼馴染 恋愛小説】

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ふたり【お泊まり―3】〜刺激的な夜!?U〜-4

エリカが何と言ったのかは聞き取れなかった。

でも、エリカに抱き締められて……エリカの震えが止まったことに気付いて……そんなこと聞き直す気にならなかった。

きっと怖いんだろう。
カミナリとか、こういう窓が不気味に揺れる音とか。

でもエリカは否定するだろう。
…すぐ泣くくせに弱味は見せたがらないから。

なら、このまま黙っていよう。
もういい、とエリカが言うまで抱き締めていよう。

…エリカのためでもあるけど…何より俺自身、エリカの温もりが心地よくて…、
離れたくなかった。


ふたりはそのまましばらく抱き合っていた。

……あれほど強く吹き付けていた風が弱くなっていた。
雲も晴れて、月がのぞく。
エリカのうしろにある窓から差しこむ柔らかな月明かりが俺達を照らしていた。



「…ユキ。」

エリカが俺に巻き付けていた手をほどく。

それに合わせて俺も手を放す。
エリカが顔をあげる。
まだ少し潤んだ瞳で俺を見上げる。

月明かりで照らされて、顔がはっきり見える。

…さっきまでの落ち着いた自分はどこにいってしまったのだろう、
…ドキドキする。
いつもより激しく…



「……いつもは我慢できるんだよ?……でも今日はユキがいたから……ねむれなくて……助けてほしかった…」

エリカは伏し目がちに、か弱い声で言う。
こんなエリカは初めて見た。

「ねぇ、迷惑かもしれないけど……もうちょっとだけ甘えさせて?」

「…うん」

「仰向けになって。」
「え?」

「…いいから。」


言われたとおり仰向けになると、エリカがモゾモゾ動く。

エリカの手が右肩から胸、へとつたう。
そして俺の左肩をつかむ。


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