投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ふたり
【幼馴染 恋愛小説】

ふたりの最初へ ふたり 17 ふたり 19 ふたりの最後へ

ふたり【お泊まり―3】〜刺激的な夜!?U〜-2

俺は顔をエリカの方に向ける。
かなり距離が近かったがそんなことより震えているエリカが心配だった。

「エリカ…寒いのか?」

エリカは黙って目をつむったまま手を握る力を強くする

俺は体を横に向けて空いている左手をエリカの頬にあてる。
やっぱり冷たい。

すると、エリカが顔をあげた。
暗くてはっきりとは分からないがその目には涙がたまっているように見える。
俺は一瞬びっくりしたがムリヤリふつうの顔に戻した。
この暗さとはいえ、目が慣れているからエリカの表情くらいは読み取れる。
今までこんな至近距離で見つめ合ったことなど無かった。
この状況じゃなかったら俺は顔を真っ赤にして心臓の鼓動もおもいっきり早くさせてしまっていることだろう。
だが目の前にいるエリカの表情は切なく、今にも泣き出しそうだ。
この時、俺には「エリカの不安を消したい」という想いしか無かった。

気付いたときにはエリカを抱き寄せていた。

それでも震えは止まらなかった。

その震えは何かに怯えているからなのか、俺に抱き締められたことに驚いているからなのかは分からない。

それでも俺は抱き締め続けた。

…強く…
…優しく。

エリカの柔らかい髪が俺の顔に軽くあたる。
シャンプーのいい匂いがする。

…人を抱き締めることなんてこれが初めてだろうか…

………!

……違う。

……思い出した。



あれは…確か…小学校に入ったばかりの頃か…


ピカッ!
………ゴロゴロゴロ……

――この日は強い雨と共にカミナリが発生していた。

「すっげー!」

雷光を見てはしゃぐあや姉。
…どういう神経してるんだろうか…

カミナリ音が鳴るたびにキャアキャア騒ぐあかね。
…どう見ても顔が笑っている。

エリカは…
さっきから様子がおかしい。
顔色も悪いし、いつも活発に動いている口もあまり開かない。
どうもカミナリが苦手なようだ。

俺もカミナリは苦手だがムリして笑顔を作れるくらいの余裕はある。

エリカはそれどころではないといった様子だ。


ふたりの最初へ ふたり 17 ふたり 19 ふたりの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前