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スレチガイ
【学園物 恋愛小説】

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スレチガイ-1

俺の名前は山本裕太(やまもとゆうた)。普通の公立中学に通う2年生だ。今日も遅刻ギリギリで教室に駆け込んだところ……
『裕太!!』
担任が来てるにも関わらずいきなり声をかけてきたのは後ろの席の井上光(いのうえひかる)。
『なんだよ朝っぱらからテンションたけえな〜…』ダルそうに返す俺。
『今日バレンタインじゃ〜ん、裕太は琴実ちゃんからチョコもらうんだろ??』
琴美ちゃんというのはウチのクラスの女子の学級委員。で、男子は俺。俺と琴美のことはクラスでいろんな噂になってる。まあ実際そんなんじゃないんだけど。
『だからそんな関係じゃねぇって。』お決まりの返答。
『まっ放課後が楽しみだな!!』相変わらずハイテンションの光。
俺は琴美のことは何とも思ってない。ただ、向こうがからんでくるから調子合わせてるだけだ。俺にはホントに好きな子がいる…。その子からもらえるのかな…?
‐放課後‐
『ゆ・う・た・くん☆』
席を立った瞬間、呼びとめられた。琴美だ。
『はいこれ裕太にプレゼント!』
『サンキュー、お返しちゃんとすっから』
どうやら手作りみたいだ。
『じゃあまたなぁ〜』

『待って!』
『…なに?』
『一緒に帰らない?』今この教室には俺の好きな子がいる……おまえと一緒にいま帰っちゃったらチョコもらえないじゃん…でも断るのもなぁ…。もらえる保証もないし…
『イイよ』
しかたない。
俺と琴美は一緒に教室を出た。

琴美と別れて家に帰ってから間もなく、メールの着信が鳴った。

大沢芽衣
いま何してる?

大沢芽衣(おおさわめい)この子こそが俺の好きな女の子だ。


グダグダ 笑

いつも通りの短いメール。その後も50通ほどそんな感じのメールをした。お互い今日のことには触れずに…


翌日からいつもの日常に戻った。あの日以来琴美は今までにも増して積極的になった。実際琴美はカワイイんだ。だから俺も嫌な気はしない。
ある日俺は琴美に呼び出された。体育館裏。聞かなくても用事はわかる。そうなった時の答えももちろん決めてある。

『裕太のこと好き』
やっぱり来た。さぁ言うんだ…
『無理…だよね。裕太は私より好きな人いる。』
へ?予想してなかったセリフに戸惑う俺。なんでそのこと?
『光が言ってたぁ…』
琴美の顔は今まで見たことない表情だった…。いつも明るい笑顔だったのに、目からは涙が溢れて、それでもわずかな希望にかけてこっちを見つめている。俺の答えは…


『ごめん』

言った瞬間、琴美は走って行ってしまった。これで、よかったんだ…。


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