「アイラブユーベイベー」-3
彰。
戻ってきたときにアタシに見せた、意味深な視線。
「どうする、保健室にもさすがに下着は置いてないだろうし…。」
真由が形のよい眉を寄せる。
「いや、もう一組、替え、あると言えばある、んだ…。」
そう。こっちは盗られてなかったの。
「彰が今朝くれたのが…。」
* * *
「あ、ほんとに?!よかったね、助かったじゃん!」
彰くんに感謝しなきゃ〜♪と真由が笑う。
違う、違うの真由、きっとこのアホな事件はすべて…
「で、どんな下着なの?」
下着をプレゼントだなんて、ラブラブじゃん、うらやましい〜wとみんなが騒ぐ。
やけくそになったアタシは、体に巻きつけていたタオルをバサッと床に落とし、例のエロ下着を紙袋の中から引っつかみだして、装着。
「見てのとーりよっ//」
…自分でもこんなエロいもんだとは思わなかった…。
カップの浅い黒レースのブラは、乳輪と乳首がギリギリ収まる程度。しかも、うっすらと透けてしまっている。
腰骨にゆるっと引っかかるだけで、かろうじて毛を覆い隠すパンティ。後ろは、ヒモだけ。サイドだって、リボンを引っ張ればはらりと落ちてしまうだろう。
…なんて非実用的。
「…す、すごいねユウカちゃん//」
今まで興味津々といった様子だった女の子たちは、顔を赤らめている。
いやだ、みんなひかないでっ(泣)
「ほらっ、みんなも早く着替えないとHR始まっちゃうよ?!」
焦ってアタシが促すと、みんなはっとしたように動き出す。
変態下着の上から制服の白シャツを着てみると…案の定イヤって言うほどくっきり透けている。
…ジャージの上羽織るしかないか。
スカートを履いても、なんだかいつもよりスースーする。
てゆうか、歩いててパンツ落ちてきちゃったらどうしよう、、
逡巡しながらなんとか着替え終わり、そそくさと更衣室を出る。
外には彰がニヤケた顔で待っていた。
「どぉ?」
「…サイッテー。返してよ。」
「今日、俺の家来てくれたら♪てか強制。」
「はぁ?!部活は?」
「今日はオフ!だからさ…」
彰はアタシの耳元に顔を寄せる。
(そのエロ下着、俺に脱がさせて?)
「アホ…。」
アタシのため息は、いつも、OKのサイン、と解釈されてしまうのでした。