ふたり【お泊まり―2】〜刺激的な夜!?〜-3
「お兄ちゃん前に女の子に告白されたって言ってたよね。」
俺は小さく頷く。
「その時だけじゃなくてお兄ちゃんは…何回も何回も告白されてる。
……でも全部断ってる。」
あかねは俺の左手を握る。
「あかねもね……何回か告白されたことあるんだ…」
「そう…なのか。」
…おかしいことではない。むしろ、あかねならば当然のこと。
「お兄ちゃんには内緒って言ってたけど……エリカもそうなんだよ。」
「えっ!?」
ガタッガタッ!
思わず大きな声を出してしまったが、同時に吹いた風がそれを掻き消す。
……そんなこと初めて聞いた。
噂にもなっていない。
「あかねもエリカも答えは一緒。
『ごめんなさい、あたし好きな人がいるの。』
……どういうことだと思う?」
考える間もなくあかねは答えを出す。
「もしかしたら
……三人みんな、考えてること同じかもね♪」
「えっ?」
――その時
俺の頬に柔らかいものが触れた。
そして小さくチュッと音をたてて離れた。
それがなにかすぐに分かった。分かっただけに、俺の全身は硬直してしまった。
「エヘヘ。」
あかねの笑い声。俺は我にかえった。
「お兄ちゃん。…ずっと一緒にいてね。
……学校終わって家に帰ればお兄ちゃんに会える。
……あかねの一番の楽しみはお兄ちゃんと一緒にいることなんだ。」
あかねは俺の腕に抱き付いてくる。
「イヤだよ?お兄ちゃんが他のところに行っちゃったりしたら。
……お兄ちゃんがいないこの家なんて……
……考えたくない。」
俺は、空いている右手であかねの頭を撫でた。
必然的に顔が向かい合う。
「お兄ちゃん、口にチューしていい?」
「ばっ、…ダメだ!」
「ウソだよ〜♪」
……全く……
…泣きそうな声になったと思ったら
いきなりとんでもないこと言うし……
でも……俺は……
この時、あかねに対する新たな感情が生まれた。
「好き」とはまた違った……「守りたい」
という感じ……。
気付いたら俺は
あかねを抱き締めていた。