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坂道と雨奏
【コメディ 恋愛小説】

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隣の教室の雨-3

「奏介、どうした?」

奏介は教室の奥の方を指さす。
「あれ。」
奏介が指さす方には三人の女子、そう落書き入りのジャージを持った。

「何やってるわけ?」
あーぁ奏介キレてるよ…つーか、教室の出入り口の扉壊しちゃったのね……
横開きの扉が進路を塞ぐように、前に倒れている。
「その女が悪いのよ」
「男好き」
「八方美人」
など、喚きだした女子三人
永月は床に倒れている扉の上を歩き、女子三人に近づいた。
「返して、奏ちゃんのだからジャージ」
永月は女子の手にあるジャージをとりあげた。
「ジャージ9枚、教科書23冊、ノート34冊」奏介はそう言って、請求書をたたきつけた。
『こんなの払えない』
なんて、騒いでやがる女子。
「いいよ、器物破損で警察に行くし、名誉毀損で訴えることも可能だから」
奏介は女子の手から請求書を取り上げ
「そんな騒ぎになるより素直に払った方がいいと思うけど」
ヒラヒラって請求書を女子の目の前にちらつかせる。
俺にもちらっと見えたが、高校生がポンと払える額じゃない。
「ついでに俺のジャージもね。」
奏介は意地悪そうに笑った。
「自分がやったことなんだから責任とれよ」
やっと俺が介入できた。奏介と永月に圧されて何もできなかった。
「まぁ、三人だったら1ヶ月軽くバイトすれば返せるだろ」
3人で週3日、4時間労働すれば返せる額だ。


そうして、お金も返ってきて永月へのイジメともとれる嫌がらせは終わった。
その後、永月は美人でサバサバした性格で友人も増えて行った。
現在2年生、新入学生からは男女共に『お姉さま』とか言われてるが、永月本人は気付いてないようだ。
ついでに美人なのも気付いてないようなので、気取らず、いつも元気に笑っている。





あれから一年近く経った。
今、永月と俺は付き合っている。てか、初デートでいきなり遅刻だよ…
「ゆうちゃーん」
永月の声がする、やっと到着のようだ。
と、声が聞こえた方に振り返ると
「う゛ぎゃ〜」
いきなり体に衝撃が来た。
付き合い初めてから、平手打ちや、跳び蹴りはジャンプして飛びついてくるようになった。
永月はヨロメく俺に対して
「軟弱ねぇ」
なんて笑顔で言ってくる。


泣かせたくない。
いつまでも、その笑顔を『守りたい。』
そう思ったんだ。


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