投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

坂道と雨奏
【コメディ 恋愛小説】

坂道と雨奏の最初へ 坂道と雨奏 0 坂道と雨奏 2 坂道と雨奏の最後へ

坂道と雨奏-1

7月
梅雨もおわり、しめっぽく暑苦しい夏が来た。

高校前の坂道
「だぁ〜、あぢぃ」
俺サマの名前は麻生祐太(アソウ ユウタ)青春真っ最中!!……のはずの学校にバイトで忙しい高校2年生。
「あまり暑いいうなよ」
さっきから暑い暑い連呼しっぱなしの俺に友人Aは言う。
「友人Aってなんだよ」
呆れた感じの友人A。
「俺の思考にまでつっこむなよ」
友人Aこと栄生奏介(エイキ ソウスケ)。
綺麗な顔立ちをしていて、背が高い。
一方俺は175?がやっと、見た目は奏介よりちょい下くらいかな。

「おはよー!」
「おわぁ!」
後ろからバスンと背中を平手打ちされ俺は、前に1、2歩坂道をいってしまう。
「おはよう、永月」
俺を無視して奏介は、同じクラスの永月雨(ナガツキ アメ)に挨拶を返す。
「はよさん!今日もパワフルだな」
永月の平手打ちを受け崩れた体勢を整え挨拶を返す。永月雨は隠れたファンクラブまである長身美人。
女優並の容姿に気さくな人柄から男子だけでなく、女子のハートまでゲットした女子だ。

いつも笑顔、怒るときもあるけど、基本笑顔の永月。
ただ一回だけ泣いているのをみたことがある。
なんて綺麗に涙を流す女の子なんだ……って思ったっけ。中身を知るまでは……


放課後の教室
「なぁ、祐太」
机に座っている奏介が、椅子に座っている俺を上から見おろす。
「なんだぁ?」
カタンと奏介が机から立ち上がる。
「お前、永月さんのこと好きだろ」
はぃ?今、こいつ何ていいました?
おれがあーんな乱暴な女が好き?
「はぁ?奏介は?」
逆に聞いてみる。
「俺は、永月さん好きだよ」
さらっと言ってのけやがった!
「我が校きっての美男美女カップルが出来るかもな」
なんて茶化してみせる。なんだ?なんかムカムカする……夏バテか?

次の日から奏介の猛烈なアタックが始まった。
永月が笑ってる。無防備な笑顔。なんか見てるだけで、聞いているだけでヒステリーを起こしてしまいそうだ。
カウンセラーに相談した方がいいのか?俺……

教室前の廊下を歩いている俺に後ろから高い声が響いた。
「祐ちゃん!」
そう、永月だ。
「ぉ、おう」
なっなんだ!?心臓が強く早鐘を打つ、一気に体温上昇。
「祐ちゃん最近なんか変?どうしたの?」
なんて、永月は顔を傾げる。
「そっ、そうか?」
動揺。変なのは何故かわからねぇし。
「あたしね、奏ちゃんに告られたよ」
ゴーン!!なんか頭殴られた気分
永月は顔が赤くなっている。
とりあえず、その先を…永月はどう返事したんだ!?
「つっっ付き合うのか?」
動揺動悸パニック!!
「なんか、逃げて来ちゃった」
いつもの笑顔じゃない、微妙な笑顔で永月は笑った。
「そっか」
それでも俺は、なんだか少し安心したんだ。
「祐ちゃんのアホ面みたらホッとしたから、帰ろっと」
アホ面かい!?なんか今日はいいや、反論は。
「おぅ、気をつけて帰れよ」
そうして、長い髪をなびかせる永月に俺は
手を伸ばしたくなったんだ……ナゼ?


坂道と雨奏の最初へ 坂道と雨奏 0 坂道と雨奏 2 坂道と雨奏の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前