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あのコの秘密
【同性愛♀ 官能小説】

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あのコの秘密-1

「なーつーみぃー!!部活はぁ!?」
莉依は放課後の教室を逃げる様に出ようとする菜都実に叫んだ。
びくっっとした菜都実は笑顔を引き吊らせて、教室の入口で立ち止まる。
「どーすんのぉ〜???」
屈託のない笑顔の莉依は教室の入口に立ちすくむ菜都実に走り寄り、形良く膨らんだ菜都実の胸を背後から揉もうとした。いくら高校二年生の女の子同士でもそんなにエッチに思われない、そして菜都実の胸は大きくて柔らかくてついつい莉依はいつも揉んでしまう。
「イヤッッ!!!!やめてよ!!!」
菜都実は体をよじり、激しく抵抗した。

パシッッ!!!

「キャアッッ!!!」
菜都実の持つ学校指定バックが不本意にも莉依の顔を直撃してしまった。ざわついた放課後の教室は莉依の悲鳴で水を打ったように静まった。
「ごっ……ごめんね……。リィー、ホントにごめん。大丈夫!?」
菜都実は心配そうに莉依のしきりに顔を覗き込む。
しかし、莉依は顔を伏せたままバックが当たった箇所を手で押さえ、肩を震わせている。
――リィが何も言ってくれない……。どうしよう!!!――
その事で言葉を発することが菜都実は出来なくなり、菜都実は思わず泣きそうになった。
いつの間にか教室に残っていた生徒達が二人の周りに集まり、無責任なことを言い出した。
「山瀬が武口を殴ったらしーよ」
「リィーが、いきなりナツにやられたんだってぇ??」
「ひゃ〜〜!!マジ、女ってこえーなぁ」
「ちょっとぉ!!!いい加減なコト言わないでよぅ!!!」
莉依は顔を押さえたまま、いきなり声を張り上げる。
二人の周囲は異様な静寂に包まれたが、莉依はかまわずに続ける。
「なちゅが私にバックを業とぶつけるワケないじゃないの!!!あんた達、バッカじゃないの!!!菜都実、保健室に付いて来て!!!!」
莉依は菜都実の手を取り、あっけにとられる同級生達に目もくれずに保健室にずんずん歩いて行った。


「痛いヨゥ!!!リィ、痛いってぇ!!!」
菜都実は教室から大分離れたのを合図に声をあらげた。
「あっ……ごめ……」
莉依は初めて気が付いたかのように慌てて手を放す。
「もぉっ〜!!赤くなってるじゃん!!」
菜都実は莉依が力任せに掴んだ箇所を摩り、莉依を睨みつける。
莉依はバツが悪そうに顔を菜都実から反らす。
グラウンドからは運動部の練習の声が響き、廊下を淡いオレンジ色の夕日が染め上げる。その放課後特有の怠惰で哀愁が漂う時間が二人の間を流れていく。
「……こーでもして、芝居地味たコトしなきゃ、なちゅと二人っきりで話が出来ないじゃないの!!」
莉依は悲鳴に近い声を出して菜都実を見据えた。今度は菜都実が莉依から目を反らす。所在なく制服のスカートのポケットに手を突っ込み、ゴソゴソと手を動かす。
そして、菜都実は溜息を吐く。
「ちょっと、どうしたのよ!!なちゅ!!最近、おかしいよ!!私に言えないことでもあるワケ!?」
莉依は菜都実の肩を掴み、揺すりながら問い糾す。菜都実は目に涙を溜め、ポツリといった。
「……ワタシのコト、何があっても嫌いにならない??」
「嫌いになんかならない。だから、私を避けないで……。私、菜都実に避けられてて……すごく……すごくツライの……。」
莉依は菜都実を抱きしめながら言った。菜都実は莉依の腰に手を回し、搾り出すように言った。
「ワタシがリィをこの一ヶ月避けていた理由を正直に話すね。でも、絶対に嫌いにらないでね。」
「うん。絶対に嫌いにならないよ……。」
菜都実は莉依の手を優しく取ると、保健室に向かった。




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