坂道と雨奏-3
夜。部屋でくつろいでいる俺の携帯が鳴った。
奏介からだ。
「もしもし」
永月のことだよな……
「おめでとー」
パァンとクラッカーが弾けた音がする。
「やっと素直になったな〜祐ちゃん」
なななななっ、なんだぁ!?
俺は頭フル回転高速で考えた
「あ゛ー!!」
告白は奏介がライバルにも関わらず、異常なまでにスンナリ成功した。
もしかして……
「気がついた?」
意地悪く奏介は問う。
「ハメられた?」
少しゲンナリしながら答えた。
「あたり!も〜じれったくって」
奏介は冷やかしてるのだろうか?いつもより明るくて怖い……
「どうみても両想いだから、いじってみた」
どうみても両想い?
永月の気持ちにまで気づいてたのか?
「お前は永月さんの事よく見てるし、永月さんはお前よく見てるし。」
ちょっと待てオイ!
俺は永月と目があったことあんまり無いぞ。
「そうか?」
「祐太は鈍い。」
ハッキリ言われた。
でも本当のことだった。自分の気持ちにも気がつかない程だから。
「まっ、うまく行ったみたいだから良かった。」「奏介?」
「ん〜?」
「ありがとう。」
形はどうあれ気付かせてくれた。
まぁ、気付きたくない所まで気づかされてしまったけど……ヘタレな俺とか。
明日から永月を駅まで迎えに行って手を繋いで、あのクソ長ったらしい坂道を歩く。
永月と奏介と3人で。
えっ?
永月と奏介は気まずくないかって?
それはまた別の所で……