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坂道と雨奏
【コメディ 恋愛小説】

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坂道と雨奏-2

その夜、俺は目を閉じゆっくり考えてみた。
永月
奏介
そして俺。

ムカムカする時、永月と奏介がいる。

イヤなんだ。
永月が誰かと付き合うのが。
奏介が永月を好きだと言える心が。
涙が出るくらい、ムカムカして悔しくて羨ましくて。
俺が永月を好きだから。
今から俺に何ができる?
俺は奏介に電話した。
だって俺らは親友だから。
深夜に三回コールで電話に出た奏介。
その三回はとても長く感じた。
「夜遅くに、ごめん。言いたい事があるんだ。」怖い。奏介が好きだと言った女の子を俺も好きだと、奏介に……親友に言わなきゃいけない。
「なんだ?」
奏介はいつものように話の進行を促す。
「俺…永月が好きだ。」心臓が破裂するくらい胸の内側からノックする。「そっか」
はぃ?なんでそう穏やかでいれるんだ?
俺なら間違いなく怒るだろう。
「それだけか?」
言いたい事無いのか?
「気づいてたから、随分前から」
ちょっとまったぁ。
俺、自分自身のことわかってねぇじゃん。
「でも、譲れないよ。」奏介の意思表示。
「明日からライバルだな。」
「おぅ。」
そうして電話を切った。

俺の恋は直球勝負。
奏介と付き合う前に告白しなきゃ、俺と永月が付き合う可能性が限りなく0%に近くなる気がしたから。

俺は、永月を駅まで送っていくとか微妙な理由で一緒に帰った。
チャリをひいて永月と歩く。
会話は緊張で、しどろもどろ。
覚えているのは永月の笑顔だけ。
駅に着いた頃、緊張MAX。「永月っ」
緊張のあまり声が大きくなってしまった。
永月はいつもの様に笑顔で
「なぁに?」
なんて、悩殺スマイルで俺の顔を見る。
心臓に最近負担かけっぱなしだな俺。
すげぇ音してる。
「好きだ。」
ドモらず言えた、必死の一言。
「うん。」
うわぁー、今までで最上級の笑顔だ!
つーか今『うん。』って言わなかったか?
「俺と付き合ってくれ」勢いで告白を進める。
「はい。」
「えっ、OK?」
すんなり進みすぎて、聞き返してしまう。
「喜んで付き合う。」
永月の顔が赤い。
そのあと、お互い真っ赤な顔でデートした。
手が触れる度に真っ赤になって、やがて手を繋いで歩いて。


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