投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

《魔王のウツワ》
【コメディ 恋愛小説】

《魔王のウツワ》の最初へ 《魔王のウツワ》 16 《魔王のウツワ》 18 《魔王のウツワ》の最後へ

《魔王のウツワ・3》-5

「てなわけで次、鬱輪♪」
「あぁ!?」
「歌えや。ヒメかて歌ったんやで、男の自分が歌わんでどないすんねん!」

このバカ…

「ヒメの前で恥晒せ♪」

こうなると七之丞は止められない。だが…

「ああもう、焦れったいわァ!」

パラパラと本を捲り、勝手にコードを入力した。
しばらくして流れてきたのは…

「○’zか!」
「○’zや!」

七之丞の野郎…嫌がらせに歌いにくいものを…

ああ、こうなったら…

「例えばぁ…」

※※※

曲が終わった…
そして、俺も終わった…
真っ白だ…

「ほんまに自分下手やなァ……」

七之丞がマジな顔をして言う。

「…魔王よりジャ○アンの方がええんちゃう?」

やめてくれ…

「なぁヒメ、何かこの音痴魔王に言うたれ」
「えっ…あ、あの…こ、個性的な歌でした…」

この場合の個性的は一番辛い…

「ヒメて、なかなかえげつないなァ…」
「ち、違いますよ!そういうことじゃなくて…鬱輪さんの歌…わ、私は嫌いじゃないです……」

慰められると余計に辛い…特に姫野に言われると辛い…

「なら、お耳直しにわいが一曲♪聞いてください、残酷な…」

※※※

七之丞の本日二回目のアニメソングを最後に、親睦会の名を借りた七之丞の自己満足と辱めは幕を下ろした。

その帰り道…

「ちょいとコンビニ寄ってええか?」

七之丞が言った。

「いいぞ」
「あ、はい…じゃあ、私も…」

コンビニの中にはアルバイトと思しき、男の店員が一人。他に客はいない。
俺と姫野は商品を見て回っている。

「…ゲーム好きなんですか?」

姫野が、ゲーム雑誌を立ち読みしている七之丞に尋ねた。

「好きやで♪最近はオンラインやな」

ゲーム雑誌を閉じると七之丞はオンラインネットゲームについて熱く語り始めた。


《魔王のウツワ》の最初へ 《魔王のウツワ》 16 《魔王のウツワ》 18 《魔王のウツワ》の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前